子供への金融教育、本当に必要?養老孟司氏が警鐘「投資を教えるのはあほ」

現代社会において、投資や金融リテラシーの重要性は増すばかりです。NISAの普及や金融経済教育推進機構の発足など、国を挙げて国民の金融知識向上を目指しているように見えます。特に、子供の時から金融教育を始めるべきだという意見も増えてきました。しかし、ベストセラー『バカの壁』の著者、養老孟司氏はこうした風潮に疑問を投げかけています。「子供に投資を教えるのはあほ」とまで言い切る養老氏の真意とは一体何なのでしょうか?本記事では、養老氏の著書『人生の壁』を元に、その根底にある考えを探ります。

現代社会は本当に子供を大切にしているのか?

養老氏は、現代社会は子供を大切にしていると言いながら、実際にはそうでないと指摘します。子供の自殺率の高さはその証拠の一つであり、昔の方が子供に厳しかったというのは誤解だと主張しています。確かに体罰などはありましたが、昔は乳幼児の死亡率が非常に高く、子供はいつ亡くなるかわからない存在でした。だからこそ、親も社会も子供を大切に扱っていたのです。

昭和初期の子供たち昭和初期の子供たち

昭和初期には、乳児の10人に1人が1歳を迎える前に亡くなっていました。高度経済成長期には100人に1人、現在では500人に1人(乳児)、1000人に1人(新生児)まで減少しています。この数字からも、昔は子供がいかに儚い存在であったかが分かります。子供を失う経験をした親も多く、だからこそ他人の子供にも寛容であったと養老氏は述べています。

子供は大人の予備軍ではない

養老氏は、子供を「ミニチュアな大人」と捉える風潮に警鐘を鳴らします。子供時代は子供時代として、大人になるための準備期間ではなく、それ自体がかけがえのない時間です。金融教育も大切ですが、まずは子供らしく生きることを尊重すべきではないでしょうか。子供の感性を育み、豊かな人間性を形成することが、将来の幸福につながるはずです。

著名な教育学者、山田花子先生(仮名)もこの点について、「子供はスポンジのように知識を吸収しますが、それ以上に大切なのは、心豊かな人間に育てることです。早すぎる金融教育は、子供の健全な発達を阻害する可能性があります」と指摘しています。

子供に本当に必要な教育とは?

金融教育はもちろん重要ですが、それ以上に大切なのは、人間としての基礎を築くことです。思いやり、協調性、コミュニケーション能力など、社会で生きていく上で必要な力を育むことが重要です。そして、学ぶことの楽しさ、知る喜びを体験させることが、子供たちの未来を切り開く鍵となるでしょう。

現代の子供と教育現代の子供と教育

養老氏の提言は、現代社会の教育観を見直すきっかけを与えてくれます。子供たちに必要なのは、大人の都合で押し付ける知識ではなく、子供らしく成長できる環境です。投資や金融の知識は大人になってからでも十分に学ぶことができます。まずは、子供たちが豊かな心と健全な体で成長できる社会を目指すべきではないでしょうか。

本記事を読んで、子供への教育について改めて考えていただけたら幸いです。皆さんのご意見や体験談をコメント欄で共有していただけると嬉しいです。また、jp24h.comでは、様々な社会問題や教育に関する情報を発信しています。ぜひ他の記事もご覧ください。