NHK大河ドラマ「光る君へ」の最終回「物語の先に」が12月15日に放送され、大きな感動を呼びました。この記事では、最終回の中でも特に視聴者の心を掴んだ道長（柄本佑）の最期のシーンを詳しく解説し、まひろ（吉高由里子）との絆、そして倫子（黒木華）の深い愛情を描きます。
道長の最期：物語が紡ぐ生への執着
最終回、最大の注目を集めたのは道長の最期のシーン。病に伏せる道長に、まひろはかつて道長から賜った扇を手に、物語を読み聞かせます。それは、幼い頃の道長を主人公にした物語でした。
「昔あるところに、三郎という男子がおりました…」
まひろの声に、道長の目は大きく見開かれます。貧しい暮らしの中で兄たちと別れ、母と二人で生きてきた三郎の物語。まひろは、道長の物語への興味が、生きる力へと繋がることを願っていました。
「続きはまた明日」
まひろはあえて物語を途中で止め、道長の生への執着を繋ぎ止めようとします。道長はかすかに頷き、次の日も、また次の日も、まひろの物語に耳を傾けます。
道長とまひろ
まひろの涙、そして倫子の深い愛
しかし、道長の衰弱は日々進んでいきます。
「生きることは…もうよい…」
弱々しい声で呟く道長。まひろの頬には涙が伝います。最愛の人の死期を悟り、それでもなお、まひろは涙をこらえ、物語を語り続けます。道長の興味を引き、少しでも長くこの世に繋ぎ止めたい一心で。
道長は静かに目を閉じ、まひろの物語に耳を傾けているようでした。やがて、深い眠りに落ちたように静かになった道長。まひろは、別れの時が迫っていることを悟ります。
夜更け、倫子が道長の寝室を訪れます。布団から出ている道長の手は、まるで小鳥が羽を休めるように、甲を上に向けていました。倫子は静かにその手を握り、息を呑みます。道長は、すでに息を引き取っていました。
倫子の深い愛情、そしてまひろとの強い絆の中で、道長は静かにその生涯を閉じました。
永遠の別れ、そして未来へ
朝方、まひろは自邸で筆をとっていました。その時、ふいに道長の若々しい声が聞こえてきます。
「まひろ」
まひろを呼ぶ力強い声。それは、まひろが愛した、かつての道長の声でした。その瞬間、まひろは道長がこの世を去ったことを悟ります。
倫子と道長
道長の最期は、多くの視聴者の涙を誘いました。物語を通して描かれたまひろとの絆、倫子との夫婦愛、そして藤原氏の繁栄への強い意志。これらは、道長という人物の複雑さ、そして魅力を余すことなく表現していました。「光る君へ」最終回は、道長の壮大な人生の幕引きを見事に描き、視聴者の心に深く刻まれる感動のフィナーレとなりました。
