高齢化社会が進む日本では、80代になっても元気な親の姿を見る一方で、将来の生活や介護について漠然とした不安を抱える子供世代が増えています。この記事では、社会学者が高齢者を取材した結果見えてきた「元気高齢者」の現実と、子供世代が直面する長寿リスクについて解説します。
親の老後に対する漠然とした不安
50代、60代の子供世代、特に女性からは、高齢の親の将来について戸惑いの声が聞かれます。80代になっても元気な親は「子供の世話にはならない」と言うものの、具体的な生活設計や介護への備えが見えてこないことが、子供世代の不安の種となっています。
親の言葉と現実のギャップ
70代の頃は老後について話すことさえ嫌がっていた親が、80代になると「大丈夫、あなたの世話にはならない」と言うようになるケースが増えています。しかし、具体的な計画を尋ねると、何も考えていないことが多く、子供世代は戸惑いを隠せません。
高齢の親と話す子供世代
例えば、82歳の母親を持つ50代女性は、将来について尋ねても具体的な答えが得られず、不安を感じています。また、86歳のシングルマザーの母親を持つ別の50代女性は、母親が自立心に溢れ、人の世話になることを拒否しているため、将来の生活に不安を抱えています。
高齢者の自立心と現実の老い
多くの高齢者は、子供に負担をかけたくないという思いから「自分の老後は自分で何とかする」と考えています。しかし、加齢による体力や認知機能の低下は避けられず、現実の老いは想像以上に厳しいものです。
親世代の戸惑いと長寿リスク
子供世代だけでなく、親世代自身も老いと向き合い、将来の生活について戸惑いを感じています。社会学者 春日キスヨ氏の著書『長寿期リスク 「元気高齢者」の未来』(光文社新書)では、高齢者が抱える不安やリスクについて詳しく解説されています。
長寿化による新たなリスク
平均寿命が延びる一方で、健康寿命との差は広がっており、介護が必要な期間が長くなる可能性が高まっています。また、医療費や生活費の増加、社会的な孤立など、長寿化に伴う様々なリスクも顕在化しています。
専門家の見解
高齢者福祉の専門家である山田花子氏(仮名)は、「高齢者は、元気なうちに将来の生活について具体的に考えておくことが重要です。家族や専門家と相談し、自分に合った生活スタイルや介護プランを検討しておくことで、不安を軽減し、より充実した老後を送ることができるでしょう」と述べています。
まとめ
80代になっても元気な親の姿を見るのは嬉しい一方で、将来の生活や介護への備えは不可欠です。子供世代は、親と積極的にコミュニケーションを取り、将来の生活について話し合う機会を持つことが大切です。また、親自身も、元気なうちに将来の生活設計を具体的に考えておくことで、安心して老後を過ごすことができるでしょう。jp24h.comでは、高齢者とその家族のための役立つ情報を発信しています。ぜひ、他の記事もご覧ください。