リビア情勢緊迫化か?シリアからの武器流入の懸念とドベイバ首相の声明

リビアのドベイバ首相が、シリア情勢の悪化に伴い、ロシアの武器がリビアに流入する可能性への懸念を表明しました。この動きはリビア国内の不安定化をさらに加速させる恐れがあり、国際社会の注目が集まっています。

シリア崩壊とリビアへの武器流入の懸念

ドベイバ首相は19日の記者会見で、シリアからリビアへの武器流入の可能性に触れ、「リビアが国際紛争の戦場になるのでは」と強い懸念を示しました。2011年のカダフィ政権崩壊以降、リビアは東西に分裂し、不安定な状態が続いています。東部を拠点とする勢力はロシアの支援を受けており、シリアからの武器流入は更なる混乱を招く可能性があります。

altaltロシア軍のスホイ35戦闘機。シリアのフメイミム空軍基地に着陸する様子(2019年9月26日撮影、資料写真)。

ドベイバ首相、外国勢力の介入に警告

ドベイバ首相は、外国勢力がリビアの内政に干渉することに強く反対する姿勢を示しました。彼は「愛国心を持つ国民は、外国勢力に支配されることを望んでいない」と述べ、外国勢力の介入は「訓練や指導、装備に関する国家間の合意の枠組み内」でのみ容認されると強調しました。 リビア国民の意思に反する形での軍事介入は断固として拒否するとしています。

専門家の間では、ロシアの武器流入がリビア東部勢力の軍事力を強化し、東西対立を激化させる可能性が指摘されています。 国際社会は、リビア情勢の安定化に向けた外交努力を強化する必要があるでしょう。

イタリア国防相も懸念表明、地中海の緊張高まる

イタリアのクロセット国防相も、ロシアの動きに懸念を表明しています。彼はイタリアの新聞に対し、ロシアがシリアのタルトゥース基地からリビアに物資を移送していることを指摘し、「地中海におけるロシアの艦船と潜水艦の存在は常に懸念材料だ」と述べました。リビア情勢の緊迫化は、地中海地域の安全保障にも影響を与える可能性があります。

リビアの将来は?

リビアは2011年の政変以降、政治的混乱と武力衝突が続いており、国民生活は深刻な影響を受けています。シリアからの武器流入は、この状況をさらに悪化させる可能性があります。国際社会は、リビアの安定と平和に向けて、より積極的な役割を果たすことが求められています。 今後のリビア情勢の推移に、世界中が注目しています。