東京ドームのライブ開催日数が2024年は89日と過去最多を更新する見込みです。この活況を牽引しているのは、スタートエンターテイメント所属グループやK-POPアイドル。CD売上減少に伴い、「モノ消費」から「コト消費」へとシフトするエンタメ業界の現状を反映し、20年前の4倍に増加しました。本記事では、東京ドームライブの歴史を紐解きながら、その変遷と背景を探ります。
東京ドームライブの歴史:開業から現在までの変遷
1988年に開業した東京ドームは、5万5千人収容を誇る日本最大の屋内施設。美空ひばりやマイケル・ジャクソンなど、数々の伝説的アーティストがステージを彩ってきました。2007年までは年間20日程度だったライブ開催日数は、2008年に46日と急増。その後も増加傾向を続け、コロナ禍前の2018年には71日に。そして2024年、コロナ禍からの完全復活を印象付けるかのように、6年ぶりに過去最多記録を更新する見通しです。
alt東京ドームの外観
開業当初は洋楽アーティストが主流でしたが、2006年頃から旧ジャニーズ事務所所属アイドルのライブが増加。2010年頃には年間の過半数を占めるほどの人気となりました。2007年には、年間21日中15日がKinKi Kids、嵐、KAT-TUNなど、旧ジャニーズ事務所所属アーティストの公演でした。
K-POPの台頭と新旧アイドルの競演
2010年代に入ると東方神起やBIGBANGを筆頭にK-POP勢が台頭。現在ではK-POPと旧ジャニーズ事務所出身アイドルが、それぞれ全体の約4分の1を占める二大勢力となっています。
音楽評論家(仮名)の佐藤一郎氏は、「K-POPの洗練されたパフォーマンスと、ジャニーズ出身アイドルの根強い人気が、現在の東京ドームライブシーンを支えている」と分析しています。
アーティスト別単独ライブ開催日数ランキング:KinKi Kidsが首位
アーティスト別の単独ライブ通算開催日数ランキングでは、上位6位までを旧ジャニーズ事務所所属アイドルが独占。1位のKinKi Kidsは、嵐やSMAPを上回る66日という驚異的な記録を誇り、全公演日数の約5%を占めています。
東京ドームの歴史と共に歩んできたライブシーンは、時代と共に変化を遂げながら、今もなお多くのファンを魅了し続けています。今後の動向にも注目が集まります。