年末年始の帰省、喜びと負担の狭間で:家族の絆と”もやもや”を紐解く

年末年始は家族が集う大切な時期。帰省して久しぶりに家族と顔を合わせる喜びがある一方で、移動の負担や家事の負担など、悩ましい気持ちを抱える人も少なくありません。今回は、年末年始の帰省を取り巻く現状と、その複雑な思いについて掘り下げていきます。

帰省の現状:喜びと負担の二面性

AERA dot.編集部が行ったアンケート調査によると、帰省に対する気持ちは喜びと負担の二面性を持っていることが明らかになりました。帰省する側にとって最大の喜びは「家族の顔を見たい」ことで、帰省する側の約半数がこの点を挙げています。「家族の顔を見せたい」という回答も3割を超え、家族の再会を心待ちにしている様子が伺えます。

年末年始の帰省イメージ年末年始の帰省イメージ

一方、帰省には負担も伴います。帰省する側の約3割は「交通費や時間がかかる」ことを負担に感じており、迎える側も同様に約3割が「宿泊や食事などの家事が大変」と回答しています。 料理研究家の佐藤香織さんは、「年末年始は普段作らない料理を振る舞う機会でもあり、準備に追われる主婦層の負担は想像以上。手の込んだ料理だけでなく、手軽に作れるメニューを取り入れるなど、負担軽減の工夫が大切」と指摘しています。

帰省の”もやもや”:本音と建前の葛藤

アンケートでは、帰省をめぐる複雑な感情、いわゆる”もやもや”も明らかになりました。帰省する側からは「義理の実家より、自分の実家のほうがいい」という本音も聞こえてきます。一方で、迎える側も「家族の顔を見ることができて嬉しい」という気持ちの裏で、「断る理由はないが、本当はゆっくりしたい」という本音を抱えている人が一定数いることが分かりました。

帰省のあり方:新しい形を模索する時代に

家族の絆を深める大切な機会である帰省ですが、その形は時代と共に変化しています。「年末年始を避けて帰省する」という選択肢を選ぶ人も増えており、それぞれの家族の事情に合わせた柔軟な対応が求められています。 家族療法士の山田一郎氏は、「帰省の目的は家族との繋がりを再確認すること。形式にとらわれず、オンラインで新年の挨拶をしたり、時期をずらして帰省したり、それぞれの家族にとって最適な方法を見つけることが重要」と述べています。

まとめ:コミュニケーションが鍵となる帰省

年末年始の帰省は、喜びと負担、そして複雑な感情が入り混じるイベントです。お互いの気持ちを尊重し、コミュニケーションをしっかりとることで、より良い帰省を実現できるのではないでしょうか。