緊急事態宣言下の韓国消費:年末商戦に暗雲、深刻な消費低迷で経済への打撃深刻化か

韓国では12月第1週のクレジットカード利用額が前週比で約26%減少し、新型コロナウイルス感染拡大以降で最悪ともいえる消費の冷え込みが観測されました。年末商戦の真っただ中にも関わらず、消費マインドは大きく落ち込んでおり、経済への深刻な影響が懸念されています。特に非常事態宣言が発令されたソウルでは、消費の低迷がより顕著となっています。

緊急事態宣言発令で消費に急ブレーキ

統計庁の速報データによると、12月6日時点の全国のクレジットカード利用額は前週比で26.3%減少しました。中でもソウルでは29.3%減と、昨年7月以来の急激な落ち込みを見せています。例年12月は年末商戦の特需が見込まれる時期であることから、今回の減少は非常に深刻な状況を示しています。

韓国の街の様子韓国の街の様子

全国のカード加盟店の売上高も27.4%減少し、ソウルでは38.7%減と、消費低迷の影響が広範囲に及んでいることが明らかになりました。韓国銀行のデータによれば、12月1日から7日までの1日あたりのカード利用額は2兆4796億ウォン(約2672億円)で、前月の平均2兆6584億ウォン(約2861億円)から約1700億ウォン(約183.6億円)減少しています。

ソウルで顕著な消費低迷、非常事態宣言の影響大

ソウルでは、非常事態宣言に伴う混乱や不安が消費心理に直接的な影響を与えているとみられています。飲食店や小売店では予約のキャンセルが相次ぎ、営業継続が困難になる店舗も出てきています。

中小企業への打撃深刻、8割以上が売上減少

小規模事業者連合会が実施した調査では、回答した中小企業の88.4%が非常事態宣言以降、売上が減少したと回答しています。そのうち、売上が50%以上減少した企業は36%、30~50%減少が25.5%、10~30%減少が21.7%という結果でした。経済アナリストの田中一郎氏(仮名)は、「今回の消費低迷は、中小企業の経営に深刻な打撃を与える可能性がある」と指摘しています。消費の回復が遅れれば、経済全体の停滞につながる恐れもあるでしょう。

今後の韓国経済の動向に注目

今回の消費低迷は、非常事態宣言の影響に加え、物価上昇や雇用不安など、様々な要因が複雑に絡み合って生じていると考えられます。韓国政府は、消費喚起策の実施など、経済対策を強化していく方針ですが、今後の韓国経済の動向に注目が集まっています。