ホーチミン市に待望の地下鉄、メトロ1号線が開業しました!ベトナム初の地下鉄となるこの路線は、日本の技術協力の結晶。快適な乗り心地と洗練されたデザインで、市民の足として新たな時代の幕開けを告げます。この記事では、メトロ1号線の魅力を余すことなくご紹介します。
ホーチミンメトロ1号線:日本の技術とベトナム文化の融合
2024年12月22日、ホーチミン市に待望のメトロ1号線が開業しました。首都ハノイに続くベトナムで3番目の都市鉄道ですが、地下鉄としては初の路線となります。計画段階から日本の官民が支援し、円借款による資金援助だけでなく、設計から施工、運営会社の設立まで一貫してサポート。日本の技術が惜しみなく注ぎ込まれたこの地下鉄は、まさに日越友好の象徴と言えるでしょう。
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開業初日から多くの市民が試乗に訪れ、熱気に包まれました。1号線の起点となるのは、観光名所ベンタイン市場の地下にあるベンタイン中央駅。三井住友建設などが手掛けた駅舎は、地上部分にベトナムの国花であるハスの花を模した天窓が設置され、地下コンコースに柔らかな光が降り注ぎます。ベトナム文化を取り入れた美しいデザインは、まるで美術館のようです。国際協力機構(JICA)ベトナム事務所の福田千尋次長も「東南アジア随一の美しさ」と太鼓判を押しています。
快適な車内空間と最新技術
プラットフォームには、ベトナムでは初となるホーム柵が設置され、安全性にも配慮されています。3両編成の車両は日立製作所笠戸事業所で製造。日本の鉄道技術をベースに、熱帯気候のベトナムに合わせて空調を強化するなど、独自の工夫も凝らされています。座席は清掃しやすいプラスチック製、網棚は忘れ物防止のため設置されていません。
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地下区間はオペラハウスなど市街地の地下を通りますが、騒音や振動を抑える日本の技術が採用され、快適な乗り心地を実現しています。日立ホーチミン都市鉄道1号線プロジェクトオフィスの永澤一彦プロジェクトマネジャーは、ホーチミン市都市鉄道管理局(MAUR)からの強い要望に応え、日本の技術力を結集したと語っています。軟弱地盤での掘削工事も難航しましたが、清水建設と前田建設工業の共同事業体(JV)が日本のシールド工法を用いて、難工事を克服しました。
ホーチミン市民の新たな足
ベンタイン中央駅から2駅目のバーソン駅を過ぎると地上に出て、高架区間を走行。外国人が多く住むタオディエンやアンフー、サイゴン・ハイテクパーク(SHTP)などを経由し、終点のスオイティエン駅へと至ります。全長19.7キロ、14駅を29分で結ぶ1号線は、車では40分かかる距離を大幅に短縮。通勤・通学はもちろん、観光にも便利な交通手段として期待されています。
未来を見据えた都市鉄道システム
総事業費は約2,120億円。日本は政府開発援助(ODA)として総額1,966億円を上限とする円借款を供与しました。これはベトナムに対する日本の円借款事業としては最大規模のプロジェクトです。開業は当初の予定から遅れましたが、日立の永澤氏は「世界にも通用する鉄道システム」と自信を見せています。無線で情報伝送するCBTC方式を採用した信号システムは、将来の過密ダイヤにも対応可能。日本の鉄道技術がベトナムの未来を支えます。
日立の永澤氏は、長年のプロジェクトを振り返り、ベトナム人スタッフの成長を最大の財産と語っています。日本の技術と経験がベトナムに受け継がれ、新たな時代を切り開いていくことでしょう。
メトロ1号線で快適なホーチミンライフを!
乗車料金は片道7,000~2万ドン。開業後1カ月間は無料です。ぜひ、メトロ1号線で快適なホーチミンライフを体験してみてください!