東大現役生が人気漫画『ドラゴン桜2』を通して教育の本質に迫る!今回は、私たちが陥りがちな「無知の無知」という落とし穴について解説します。知らないうちに人生を左右されているかも?驚きの事実と対策を、今すぐチェック!
無意識の落とし穴「わかったつもり」になっていませんか?
『ドラゴン桜2』で、早瀬と天野は動画学習の内容を教え合う授業に挑戦。早瀬は動画の内容を暗記して説明する一方、天野は理解不足で言葉に詰まってしまいます。一見、スムーズに説明できたように見える早瀬ですが、先生からは「わかったつもりになっている」と厳しい評価を受けました。
実は私たちも日常生活で「わかったつもり」になっていることが多々あります。例えば、何も見ずに自転車の絵を描いてみてください。意外と正確に描けないのではないでしょうか?イギリスのリバプール大学で行われた調査でも、半数以上の人が正確な自転車の絵を描くことができませんでした。
自転車のイラスト。多くの人がペダルやチェーンの位置を間違えて描く
これは、私たちが思っている以上に「知らないこと」が多いということを示しています。『知ってるつもり 無知の科学』(スティーブン・スローマン、フィリップ・ファーンバック著)という本でも、様々な事例を通して私たちの無知が明らかにされています。ファスナーの仕組みやトイレの水が流れる仕組み、あなたは説明できますか?
無知は社会問題にも繋がる?
「知らない」こと自体は問題ではありません。しかし、自分が「知らないこと」を「知らない」状態、つまり「無知の無知」は、社会問題に発展する可能性があります。
例えば、アメリカのオバマケアに関する世論調査では、76%の人が判決に賛否を表明した一方で、40%の人はオバマケアが法律であること自体を知らなかったそうです。また、遺伝子組み換え食品とDNAを含む食品の表示義務化に関する調査では、どちらも80%の人が賛成と回答。DNAは生物由来の食品には必ず含まれているにも関わらず、多くの人がその事実を理解していませんでした。
このように、「無知の無知」に基づく意見が政治や経済に影響を与える可能性があるのです。例えば「103万円の壁」について、きちんと説明できる人は少ないのではないでしょうか?「調べればわかる」と思っていても、正しい情報を見極めるのは容易ではありません。
情報の取捨選択をどう行うか?
情報の判断基準となるのは、自分が所属するコミュニティの「常識」です。家族やインフルエンサーの発言を、専門家の意見よりも重視してしまうケースもあるでしょう。新型コロナワクチンの接種についても、年収や学歴よりも支持政党が大きな影響を与えたというデータがあります。
早瀬と天野が教え合う授業風景。わかったつもりで説明する早瀬と、理解に苦しむ天野
偏った「コミュニティの知」は、情報化社会において社会の分断を招く危険性があります。だからこそ、暗記学習の重要性を見直す必要があるのではないでしょうか。暗記だけでは不十分ですが、ペーパーテストというシンプルなシステムは、一時的に「コミュニティの知」から離れ、「個人の知」で考える機会を与えてくれます。
自分自身の「無知」に気づこう
暗記学習を通して、自分が「何を知らないのか」「何を理解していないのか」を認識することが重要です。無知を自覚することで、新たな学びへの扉が開かれるはずです。ぜひ、この機会に自分自身の「無知」と向き合ってみてください。
東大生ライター:土田淳真
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