お風呂は一日の疲れを癒す貴重な時間。しかし、リラックスできる空間だからこそ、思わぬ事故のリスクも潜んでいます。女優の中山美穂さんの訃報を受け、改めて入浴中の安全について考えてみましょう。
入浴中の事故は他人事ではない
中山美穂さんをはじめ、入浴中に亡くなった著名人は少なくありません。白川由美さん、平幹二朗さん、野村克也さんなど、いずれも突然の別れに多くの人が衝撃を受けました。これらの事故は、私たちに改めて入浴中の安全対策の重要性を訴えかけています。
白川由美さん、野村克也さんの写真
ヒートショックの危険性
冬場、暖かいリビングから寒い浴室へ移動すると、急激な温度変化により血圧が乱高下し、心筋梗塞や脳卒中を引き起こす「ヒートショック」の危険性が高まります。高齢者だけでなく、40代・50代でも高血圧、高コレステロール、糖尿病などの持病がある場合、リスクは高まります。東京都市大学人間科学部教授の早坂信哉先生も、動脈硬化の危険因子を持つ人は特に注意が必要だと警鐘を鳴らしています。
安全な入浴習慣を身につけよう
ヒートショックを防ぐためには、脱衣所と浴室を暖かくしておくことが重要です。リビングとの温度差は5℃以内に保ちましょう。入浴前にはコップ1〜2杯の水分補給と、かけ湯を忘れずに行いましょう。お湯の温度は40℃程度、入浴時間は10分以内を目安に。長風呂や熱い湯は避け、スマホの持ち込みも控えましょう。飲酒後の入浴も大変危険です。
中山美穂さんの近影
女性特有の注意点
女性は閉経後、女性ホルモンの減少により血圧が上がりやすくなるため、特に注意が必要です。健康診断で血圧やコレステロール値などを定期的にチェックし、適切な生活習慣を心がけましょう。「日本健康開発財団」の調査によると、バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠は、健康維持に不可欠です。
入浴事故を防ぎ、健康寿命を延ばそう
厚生労働省の調査によると、年間約1万9000人が入浴中に亡くなっていると推計されています。これは交通事故の死者数の約4倍以上にものぼります。安全な入浴習慣を身につけ、大切な命を守りましょう。毎日の入浴を安全で快適なものにするために、今日からできることから始めてみませんか?