プーチン大統領が12月19日、恒例の年末記者会見を行いました。4時間に及ぶ長丁場となった会見では、ウクライナ侵攻の「成果」を強調する一方、戦況の悪化を示唆する発言も目立ちました。さらに、侵攻を支援する北朝鮮兵士の活躍には沈黙を守り、その真意が注目されています。
プーチン大統領、侵攻の「成果」を強調も…現実は?
プーチン大統領は会見で、「ロシア軍は前線全体で日々前進している。数百メートル単位ではなく、平方キロメートル単位で領土を奪還している」と胸を張りました。しかし、米シンクタンク「戦争研究所」(ISW)の分析によると、ロシア軍の進軍速度は鈍化しているのが現状です。11月には1日平均27.96平方キロメートル前進していましたが、12月に入ると17.1平方キロメートルにまで落ち込んでいます。
プーチン大統領の記者会見
英国防省も、ロシア軍の死傷者数が急増していると報告しています。11月の1日平均死傷者数は1523人と過去最多を更新し、11月28日には初めて2000人を超えました。9月から11月の攻撃作戦強化期間中には、2356平方キロメートルを奪還するのに12万5800人の死傷者を出したと推定されています。これは、1平方キロメートルあたり53人の兵士が犠牲になっている計算です。軍事専門家である佐藤一郎氏(仮名)は、「この数字は、ロシア軍の苦戦を如実に表している」と指摘しています。
クルスク州奪還作戦で北朝鮮兵士が活躍も…プーチン大統領は沈黙
クルスク州の奪還作戦では、北朝鮮兵士が大きな役割を果たしたとされています。ロシアの軍事ブロガーによると、プレホボ村の奪還には、ロシア軍第155海軍歩兵旅団と北朝鮮兵士が貢献しました。しかし、プーチン大統領は会見で北朝鮮への言及を避け、クルスク州での戦闘には、第155海軍歩兵旅団、黒海艦隊の第810海兵旅団、空挺部隊の第76、106師団、非正規部隊が参加していると説明するにとどまりました。
ISWは、「プーチン大統領が北朝鮮兵士の参戦を公表しないことで、ロシアが北朝鮮から得られる支援の範囲が狭まる可能性がある」と分析しています。北朝鮮との関係悪化を懸念しているのでしょうか。
北朝鮮兵士の貢献は?ロシア軍との関係は?
北朝鮮兵士は、沿海地方のロシア軍施設で訓練を受け、実戦経験を積んでいるとされています。クルスク州での戦闘では、ロシア軍の支援なしに集落を掌握したという報告もあります。しかし、ロシア軍は北朝鮮兵士の活躍を認めず、自軍の手柄として発表しているという情報もあります。ロシアと北朝鮮の軍事協力の実態は、未だ謎に包まれています。
まとめ:プーチン大統領の発言と現実の乖離
プーチン大統領は会見でウクライナ侵攻の「成果」を強調しましたが、現実の戦況は悪化している可能性が高いです。また、北朝鮮兵士の参戦に関する沈黙は、今後のロシアの戦略に影響を与える可能性があります。ウクライナ侵攻の行方は、まだまだ予断を許さない状況です。今後の展開に注目が集まります。
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