韓国の誠信女子大学の徐坰徳(ソ・ギョンドク)教授が、日本の有名牛丼チェーン店「吉野家」や「松屋」などで、韓国の「キムチ」が中国の「泡菜(パオツァイ)」と誤って表記されているとして、是正を要求したと発表しました。このニュースは、食文化の違いや国際的な認識の差を改めて浮き彫りにする出来事として注目を集めています。
キムチ表記問題、その背景とは?
徐教授は自身のSNSで、キオスク端末でメニューの言語を中国語に変更すると、この誤表記が確認できると指摘。吉野家や松屋といった有名チェーン店を含む複数の店舗で、キムチが「泡菜」と表記されていることを発見し、直ちに抗議メールを送付したとのことです。メールには、キムチと泡菜の違いを明確に説明した動画も添付し、利用者が誤解しないよう早期の修正を強く求めたと述べています。
徐坰徳教授の画像
この問題は、単なる表記の誤りではなく、韓国の食文化に対する認識の欠如を示すものとして、徐教授は強く批判しています。韓国ではキムチは国民食であり、その文化的価値は非常に高いものとされています。そのため、中国の漬物である泡菜と混同されることは、韓国の人々にとって大きな問題となるのです。
キムチと泡菜、その違いはどこに?
キムチと泡菜はどちらも漬物ですが、その製法や材料、そして味には大きな違いがあります。キムチは、白菜や大根などの野菜を塩漬けにし、唐辛子やニンニク、魚介類などを加えて発酵させたもので、独特の旨味と辛味が特徴です。一方、泡菜は中国の漬物の総称であり、様々な野菜を使い、地域によって味付けも異なります。一般的に、キムチほど辛くはなく、酸味や塩味が強い傾向があります。
キムチと泡菜の違い
韓国では、2021年に文化体育観光部が「公共用語の外国語翻訳および表記指針」を改正し、キムチの中国語表記を「辛奇(シンチー)」と定めています。この動きからも、キムチと泡菜を明確に区別することの重要性がうかがえます。 例えば、韓国料理研究家の李先生(仮名)は、「キムチは単なる食べ物ではなく、韓国の文化そのものを象徴する存在です。その独自性を正しく理解し、尊重することが大切です」と語っています。
今後の展開は?
徐教授の訴えに対し、日本の外食チェーンがどのような対応をとるのか、今後の動向が注目されます。この問題は、国際的な食文化交流において、正確な情報提供と相互理解の重要性を改めて問うものとなるでしょう。 消費者が正しい情報に基づいて選択できるよう、企業側の適切な対応が求められます。