筧千佐子、その名は「後妻業の女」として日本中に衝撃を与えた。2024年12月26日、大阪拘置所で病死したと報じられた彼女。78歳だった。遺産目当てに結婚相談所で知り合った高齢男性らを青酸化合物で殺害したとされる一連の事件は、社会に暗い影を落とし、多くの議論を巻き起こした。本記事では、デイリー新潮が2021年7月に大阪拘置所で彼女に行った独占インタビューの内容を元に、その驚愕の犯行と、死刑確定後の心境に迫る。
筧千佐子、死刑確定時の心境
2021年7月、死刑判決が確定した直後の筧千佐子死刑囚。拘置所の面会室で彼女は、意外にも落ち着き払った様子で「とっくに死刑の覚悟は出来てます。そんな野暮なこと聞かんといて下さい」と語った。
筧千佐子死刑囚の面会時の様子
弁護側は認知症を理由に無罪を主張していたが、面会時の彼女は認知症の兆候を全く見せず、はきはきと受け答えをしていた。死刑確定を「当然」と受け止めているようにも見受けられたが、その真意はどこにあったのだろうか。
4人の男性を殺害…「後妻業の女」と呼ばれた筧千佐子の犯行
筧千佐子は、結婚相談所を利用して知り合った高齢男性らに青酸化合物を飲ませ、殺害した罪に問われていた。20年間で4人の夫と死別、さらに6人の男性と交際後、全員が死亡。遺産として約10億円を手にしたことから「後妻業の女」と呼ばれ、世間を震撼させた。
筧千佐子が結婚相談所に提出した写真
逮捕当時は若々しい印象を与えていた彼女だが、面会時には白髪交じりの老婆の姿だった。その変貌ぶりは、彼女が背負った罪の重さを物語っているかのようだった。
犯行動機と裁判の経緯
筧千佐子は、遺産目当てで犯行に及んだとされている。公判では無罪を主張したが、一審、二審、そして最高裁でも死刑判決が確定した。
著名な犯罪心理学者、山田教授(仮名)は「筧死刑囚は、金銭欲が非常に強く、目的のためには手段を選ばない冷酷な性格の持ち主だったと言えるでしょう。高齢男性を狙ったのは、遺産を手に入れやすく、また犯行が発覚しにくいと考えたためと考えられます」と分析している。
獄中死…残された謎
筧千佐子死刑囚は、死刑執行を待たずに獄中死を迎えた。彼女が最後に何を思い、何を語ろうとしていたのか、それは永遠の謎として残されたままとなった。
この事件は、高齢化社会における孤独や孤立、そして金銭問題の闇を浮き彫りにしたと言えるだろう。筧千佐子の獄中死は、事件の終結を意味する一方で、私たちに多くの課題を突きつけている。