2007年、タイの古都スコタイで日本人女性、川下智子さん(当時27歳)が殺害された事件から17年。殺人罪の時効(20年)が迫る中、父親の康明さん(76歳)は深い悲しみと無念さを抱え続けています。本記事では、事件の概要、父親の思い、そして今後の捜査の行方について詳しく解説します。
17年目の命日:癒えぬ悲しみと時効への焦燥
2007年11月25日、世界遺産にも登録されているスコタイ歴史公園内の寺院遺跡「ワット・サパーンヒン」付近で、川下智子さんの遺体が発見されました。死因は頸部等を刺されたことによる失血死。事件当時、智子さんはバックパッカーとしてタイとラオスを旅行中でした。 父親の康明さんは、智子さんが出発した11月3日を境に、毎年11月になると智子さんの旅程を辿り、事件当時の状況を思い返し、深い悲しみに暮れています。特に、事件現場となったスコタイのロイクラトン祭りに行かないようにと、心の中で叫び続けているといいます。
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10回目のスコタイ訪問:真相究明への執念
康明さんは事件後、10回に渡りタイを訪問し、現地警察に捜査状況の確認や情報提供を続けています。2024年にはタイ法務大臣にも面会し、事件の早期解決と時効の撤廃を訴えました。 事件解決の糸口を求め、人との繋がりを大切にしている康明さん。「人間関係を築かなければ事件は風化してしまう」と語り、諦めることなく真相究明に奔走しています。
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友人たちの祈り:偲ぶ会と届いた花束
2024年の命日には、東京で智子さんの友人たちが偲ぶ会を開催。大阪の自宅にも多くの人々から花束が届き、弔問に訪れた人たちもいたそうです。 康明さんにとって智子さんはかけがえのない存在であり、大きな癒しでした。 「なぜ娘は命を奪われなければならなかったのか」。その答えを求め、康明さんはタイでの署名活動も視野に入れ、時効撤廃に向けて活動を続けていく決意です。
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事件解決への道:残された時間と希望
タイ警察は強盗目的の犯行とみて捜査を続けていますが、17年経った現在も犯人の特定には至っていません。残された時間はあとわずか3年。 犯罪心理学者の山田教授(仮名)は、「未解決事件において、時効が迫る時期に新たな情報が提供されるケースもある。諦めずに情報提供を呼びかけることが重要だ」と述べています。 康明さんの悲痛な叫びが、事件解決の糸口となることを願います。