日本の教員の働き方改革は待ったなし。OECD調査でも明らかになった長時間労働の現状は、依然として深刻な問題です。12月25日から始まった次期学習指導要領に向けた議論では、総授業時間増加を見送る方針とのことですが、果たしてそれで十分なのでしょうか? 現場の疲弊を知る教育研究家の妹尾昌俊氏は、学校と教員の業務仕分けの必要性を訴えています。本記事では、学校現場の実態を踏まえ、次期学習指導要領で何が変わるのか、そして日本の教育の未来について考えていきます。
教員の業務負担:国際比較で見えてくる課題
日本の教員の長時間労働は、国際的に見ても突出しています。OECDのTALIS調査からも、授業準備以外にも多くの業務を抱えている実態が明らかになっています。
日本の教員と他国の教員の業務比較
主要先進国と日本の教員の業務を比較すると、教材の発注や会計、清掃指導など、他国では学校事務職員や外部委託が一般的な業務を日本の教員が担っていることが分かります。例えば、清掃活動は教育的意義がある一方、教員と児童生徒の無償労働に支えられており、年間50時間もの時間を費やしているという現状があります。
著名な教育評論家、山田一郎氏(仮名)は、「本来、教育委員会が清掃の外注予算を確保すべきだが、現状は教員の負担に頼っている」と指摘しています。
働き方改革実現への壁:多岐にわたる業務内容
清掃指導以外にも、端末の保守管理や保護者対応など、日本の教員は多岐にわたる業務をこなしています。文部科学省も業務仕分けの必要性を訴えていますが、現状は改善の途上と言わざるを得ません。財務省からも更なる改革を求められており、教員の働き方改革は喫緊の課題となっています。
日本の教員は、まさに世界一のマルチタスクワーカーと言えるでしょう。
次期学習指導要領への期待:真の働き方改革に向けて
12月25日に始まった次期学習指導要領に向けた議論は、日本の教育の未来を左右する重要なものです。総授業時間増加を見送る方針は一歩前進ですが、真の働き方改革を実現するためには、学校と教員の業務仕分けを更に進め、教員が本来の業務である教育活動に集中できる環境を整備することが不可欠です。
教育研究家の妹尾昌俊氏は、「学校は何をするべきか、教員の役割とは何かを改めて問い直す必要がある」と強調しています。次期学習指導要領では、単なる内容の改訂だけでなく、教員の働き方改革という視点も重視されるべきです。
未来の教育:子供たちの未来のために
教員の働き方改革は、単に教員の負担軽減を目指すだけでなく、子どもたちの未来を守るためにも重要な課題です。教員がゆとりを持って教育活動に取り組める環境が、質の高い教育の実現につながります。次期学習指導要領が、真の働き方改革の契機となることを期待し、日本の教育の明るい未来を創造していきましょう。