ステージ4がん闘病記:帯状疱疹との戦い、そして希望の光

2024年春、がん告知という人生の転換期を迎えたジャーナリスト山田稔さん(64)。膀胱がん、そして肺への転移。ステージ4という厳しい現実を前に、山田さんは抗がん剤治療、そして10月の膀胱全摘出手術という選択をしました。闘病生活の中で直面した新たな試練、帯状疱疹の発症、そして続く血尿との闘い。今回は、山田さんの闘病記第7回をお届けします。

突然の帯状疱疹発症、緊急外来へ

9月、残暑厳しい3連休中、山田さんの胸に異変が現れました。赤い発疹が次第に濃くなり、右胸から右腕の裏側、そして背中へと広がっていったのです。抗がん剤治療で使用している免疫チェックポイント阻害薬「バベンチオ」の副作用も考えられるため、山田さんはすぐに緊急外来へ連絡を取りました。

緊急外来の様子緊急外来の様子

幸いにも発熱や咳などの症状はなく、新型コロナウイルス感染症の検査は不要でした。しかし、待合室では救急車で運ばれてくる患者が後を絶たず、地域の医療を支える特定機能病院の現状を目の当たりにした山田さん。医療現場の過酷な労働環境を改めて実感し、働き方改革の必要性を強く感じました。

1時間ほどの待ち時間の後、ようやく診察の順番が回ってきました。緊急外来のため、普段とは違う30代半ばの医師が担当しました。症状を伝え、患部を見せた結果、「帯状疱疹」との診断が下されました。抗ウイルス剤が処方され、3週間から1ヶ月でかさぶたは取れるものの、神経痛の症状については個人差があり、いつまで続くかは分からないとのことでした。

がん治療と帯状疱疹、不安を抱えながら

がん治療だけでも心身ともに負担がかかる中、予期せぬ帯状疱疹の発症は山田さんに大きな不安を与えました。しかし、医師の説明を冷静に受け止め、前向きに治療に取り組むことを決意しました。

帯状疱疹との闘い、そして前へ

帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされる病気です。子供の頃に水ぼうそうにかかった後、ウイルスが体内に潜伏し、免疫力が低下した際に再び活性化することで発症します。(参考:国立感染症研究所) 免疫力が低下しやすいがん患者にとって、帯状疱疹は注意が必要な合併症の一つです。

「帯状疱疹の痛みは、まるで電気が走るような痛みと表現されることもあります。山田さんのように、がん治療中に発症するケースも少なくありません。早期発見、早期治療が重要です。」(感染症専門医、佐藤先生談)

山田さんは、抗ウイルス剤を服用しながら、がん治療を続けていくことになりました。不安を抱えながらも、一日一日を大切に過ごし、希望を胸に闘病生活を送っています。

希望を胸に、未来へ

厳しい闘病生活の中でも、山田さんは前向きな姿勢を崩しません。様々な困難に立ち向かいながらも、希望の光を見出し続けています。今後の山田さんの闘病生活を、引き続き応援していきましょう。

この闘病記は、がんと闘う多くの方々、そしてそのご家族に少しでも勇気を与えることができれば幸いです。 皆さんの温かい応援が、山田さんの力になります。