韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が、戒厳令騒動に端を発した弾劾、辞職の危機に加え、野党勢力による内乱罪の捜査対象となっている。大統領への内乱罪適用は前代未聞であり、驚きを隠せない状況だ。戒厳令発令の可能性に危機感を抱いた野党勢力が、今度は「政治報復」とも取れる動きに出ている。
戒厳令騒動から内乱罪捜査へ 政治的対立激化
尹大統領による戒厳令発動の可能性が浮上したことで、野党勢力は強い反発を示した。そして、その矛先は内乱罪による捜査へと向かっている。刑法の内乱罪は首謀者に死刑が適用される可能性もある重大な罪だ。 かつて「首魁(スクェ)」と呼ばれていた首謀者は、近年の用語改正により純韓国語の「ウドゥモリ」と表現されるようになった。ニュースでも頻繁に登場する「ウドゥモリ」だが、「親方」「親分」「頭領」といったニュアンスを含むため、大統領に適用するには違和感があるとの意見も少なくない。
尹大統領の支持率低迷
大統領逮捕を訴える野党勢力は、尹大統領のイメージダウンを狙い「ウドゥモリ尹錫悦!」と叫んでいる。尹大統領は「オレについて来い」タイプの親分肌で酒豪としても知られているため、あながち的外れな表現ではないかもしれない。
大統領呼称変更の議論 歴代大統領の不幸と「大統領」の本来の意味
歴代大統領に不幸や悲劇が多いことから、大統領の呼称変更を求める声も上がっている。幕末の対米交渉で英語の「プレジデント」を「偉大な頭領=大統領」と訳したのは誤訳であり、韓国がそれを現在も使用しているのは納得できないという意見だ。「大統領」を本来の「司会者」や「議長」の意味に戻すべきだという主張も出ている。
専門家の見解
韓国政治に詳しい評論家のキム・ヨンチョル氏は、「大統領への内乱罪適用は異例であり、政治的対立の激化を象徴している。呼称変更議論も、大統領の権威失墜を反映していると言えるだろう」と指摘する。
まとめ:韓国政局の混迷と今後の行方
戒厳令騒動から内乱罪捜査、そして大統領呼称変更議論まで、韓国政局は混迷を極めている。今後の展開は予断を許さない状況であり、引き続き注視が必要だ。