大晦日の夜、厳かな鐘の音に耳を澄ませ、過ぎ行く一年を振り返り、新たな年を迎える。そんな日本の伝統的な年越しを、古都京都で体験してみませんか?今回は、京都の除夜の鐘の代名詞とも言える知恩院の魅力と、除夜の鐘にまつわる興味深いお話をご紹介します。
京都の除夜の鐘といえば、知恩院
京都には約1700もの寺院が存在すると言われています。その中でも、除夜の鐘で有名な寺院といえば、浄土宗総本山である知恩院。2024年は法然上人が浄土宗を開いて850年という記念の年でもありました。宗派を問わず、一年の締めくくりにふさわしい荘厳な雰囲気を味わうことができます。
alt 京都・知恩院の除夜の鐘
108つの煩悩を祓う除夜の鐘
除夜の鐘は、なぜ108回鳴らすのでしょうか?108という数字は、人間が持つ煩悩の数とされています。鐘の音には清めの力があるとされ、一回鐘を撞くごとに一つの煩悩が消え去ると言われています。108回撞くことで全ての煩悩を祓い、清らかな心で新年を迎えることができるのです。
知恩院の巨大な梵鐘
知恩院の梵鐘は、1636年に鋳造されたもので、東大寺、方広寺の梵鐘と並び、日本三大梵鐘の一つに数えられています。高さ約3.3メートル、口径2.8メートル、重さ約70トンという巨大な梵鐘は、まさに圧巻。戦時中の金属供出の際も、その大きさと重さゆえに持ち出すことができず、現在まで大切に受け継がれています。
アインシュタイン博士も訪れた知恩院の梵鐘
1922年には、あのアインシュタイン博士が知恩院の梵鐘を訪れました。鐘の真下では、多方向からの音が打ち消し合い無音状態になるという仮説を、自ら検証するために訪れたと言われています。世界的にも有名な物理学者も魅了した知恩院の梵鐘の音を、ぜひ体感してみてください。
除夜の鐘の音に込められた祈り
古来より、鐘の音は邪気を祓い、福を招くと信じられてきました。知恩院の除夜の鐘の音は、単なる音ではなく、人々の祈りや願いが込められた神聖な響きです。静かに耳を澄ませ、新たな年の訪れを感じてみましょう。
京都の知恩院で除夜の鐘を聞き、新たな一年を清々しい気持ちでスタートさせてみてはいかがでしょうか。