フジテレビの社員がオンラインカジノを利用した賭博容疑で相次いで処分を受けた。まず、バラエティ制作部の部長が常習賭博の疑いで逮捕され、翌日にはアナウンサーが同じく賭博の疑いで書類送検された。この動きは、国内からのオンラインカジノ利用に対する警察の取り締まり強化と、マスコミ業界への捜査拡大を示唆している。
フジテレビ社員のオンラインカジノ賭博事件を報じるニュース画像
フジテレビ部長、常習賭博容疑で逮捕
警視庁は6月23日、フジテレビ社員でバラエティ制作部企画担当部長の鈴木善貴容疑者（44）を常習賭博容疑で逮捕した。同容疑者は人気番組「ぽかぽか」などの演出担当。逮捕容疑は、2024年9月～2025年5月、海外運営のオンラインカジノ「エルドアカジノ」に国内からアクセスし賭博を行った疑い。約1億円を入金し、収支はマイナス約2400万円とされる。鈴木容疑者は社内でギャンブル依存症として知られ、借金もあり、社内調査で虚偽説明をしていたという。警察の調べに「会社をなめていた」「バレないと思っていた」「先輩から教わった」と供述している。
山本賢太アナウンサーも書類送検 オンラインカジノ利用で
翌24日、同社の山本賢太アナウンサー（27）も賭博容疑で書類送検された。山本アナは2024年5月～7月、国内から海外オンラインカジノを利用し約640万円を賭け、収支はマイナス23万円だった。鈴木容疑者からオンラインカジノのアドバイスを受けていたとされる。
オンラインカジノ賭博容疑で書類送検されたフジテレビの山本賢太アナウンサー
処分に差が出た理由と警察の動き
警視庁担当記者は、鈴木容疑者逮捕、山本アナ書類送検という処分に差が出た理由として、賭け金の大きさや、社内調査での虚偽説明後の常習性を挙げた。警察は今年に入り鈴木容疑の任意聴取を進め、2週間前に逮捕方針を固めていたという。山本アナ書類送検を含め、一連の動きを株主総会のある6月25日までに完了させる狙いがあり、オンラインカジノの危険性について世間に注意喚起する目的も兼ねていたとされる。
今回のフジテレビ社員によるオンラインカジノ賭博を巡る逮捕・書類送検は、国内からの違法なオンラインカジノ利用がマスコミ業界にも広がっている現状と、それに対する警察の取り締まり強化姿勢を改めて浮き彫りにした。今後の捜査の広がりが注目される。
出典：Yahoo!ニュース（集英社オンライン）
