近年、スマホを持つ子供が増える一方で、ネット犯罪に巻き込まれるケースも増加しています。警察庁の統計によると、2023年にはSNSをきっかけとした犯罪被害に遭った小中高生が合わせて1600人を超えています。大切な子供を守るために、親として何ができるのでしょうか? 本記事では、危機管理の専門家である国崎信江氏のインタビューを元に、子供のスマホ利用における注意点とトラブル回避策を分かりやすく解説します。
スマホ課金トラブル:未然に防ぐための対策
子供によるスマホゲームへの高額課金は、多くの家庭で起こりうる問題です。万が一、子供が親のクレジットカードを無断で使用して高額課金をしてしまった場合、返金は難しいケースが多いのが現状です。国崎氏は、「詐欺ではなく、子供がゲームなどに課金してしまった場合は、残念ながら親が支払うことになる」と指摘しています。このような事態を避けるために、親ができる対策を詳しく見ていきましょう。
まず、親のクレジットカード情報を子供に触れさせないことが重要です。カード番号、セキュリティコード、有効期限の3つの情報が揃えば、誰でもカードを利用できてしまいます。クレジットカード自体を子供に見せないのはもちろん、スマホやタブレットにもクレジットカード情報を保存しないようにしましょう。
子供とスマホ
特に、家族で共有しているタブレットなどは注意が必要です。親がネットショッピングなどでクレジットカード情報を入力した履歴が残っていると、自動入力機能によって子供が簡単に課金できてしまう可能性があります。家族共有のデバイスでは、クレジットカード情報を保存しない設定にするか、毎回ログインが必要な状態にしておくことが大切です。
パスワード管理と自動入力の危険性
パスワードやクレジットカード情報の自動入力機能は便利ですが、セキュリティの観点からはリスクがあります。特に、子供も使用するデバイスでは、自動入力機能をオフにするか、利用を制限することが重要です。国崎氏は、「共通で使うデバイスに関しては、パスワードやクレジットカード情報は記憶させず、すべてログイン画面にしておくのが理想」とアドバイスしています。
自動入力機能をオフにすることで、子供が簡単にアクセスできないようにし、不正利用のリスクを軽減できます。また、定期的にパスワードを変更することも、セキュリティ対策として有効です。
もし子供がゲームに課金してしまった場合は、未成年者取消権を行使することで契約を取り消せる可能性があります。まずはコンテンツを提供している会社(プラットフォーム事業者)に相談してみましょう。ただし、親のスマホやクレジットカードを使用していた場合、子供が利用していたことを証明するのが難しく、返金が認められないケースもあります。
専門家のアドバイス:子供を守るための責任
子供のスマホ利用は、学習やコミュニケーションツールとして有効ですが、同時に様々な危険も潜んでいます。国崎氏は、「子供が高額課金をしてしまった場合、親が肩代わりするのは当然だが、分割でお小遣いから引くなどして子供にも責任を負わせる対応が必要」と述べています。
子供のスマホ利用に関するルールを明確に定め、適切な指導を行うことは、親の重要な責任です。スマホ利用のルールや危険性について、子供としっかりと話し合い、安全に利用できる環境を整えましょう。
まとめ:子供のスマホ利用を安全に
子供のスマホ利用に伴うトラブルを避けるためには、親の意識と適切な対策が不可欠です。クレジットカード情報の管理、パスワード設定、自動入力機能の利用制限など、具体的な対策を実践することで、子供をネット犯罪から守ることができます。また、子供と日頃からコミュニケーションをとり、スマホ利用に関するルールや危険性について話し合うことも重要です。子供たちが安全にスマホを利用できるよう、親としてできることをしっかりと行いましょう。