兵庫県知事選の結果は、SNSや動画サイトが選挙に与える影響力の大きさを改めて示しました。立花孝志氏による「デマを流すマスメディアvs真実を伝えるネット」という発信がYouTubeやX(旧Twitter)で拡散され、選挙結果に大きな影響を与えたとされています。 ネットコミュニケーション研究所の調査によると、立花氏関連チャンネルの動画再生回数は1500万回近くに達し、インフルエンサーや切り抜きチャンネルもこの発信を拡散しました。 問題は、拡散された情報の中に、故人のプライバシーに関わる情報や、根拠のないパワハラ否定といった真偽不明な情報が含まれていたことです。 このような状況下で、ファクトチェックの重要性がますます高まっています。
アルゴリズムが生み出す情報の偏り
立花氏らの情報は、YouTubeやXのアルゴリズムによって拡散されました。アルゴリズムは、どのユーザーにどの情報を表示するかを決定する重要な役割を担っています。しかし、その仕組みは非公開であり、プラットフォーム側が自由に操作できるため、情報の偏りを生み出す可能性があります。
クイーンズランド工科大学の研究では、イーロン・マスク氏のXでの投稿表示回数が、アルゴリズム変更後に138%増加したことが明らかになっています。 プラットフォーム側には、アルゴリズムが生み出す影響に対する責任が問われます。
兵庫県議会の百条委員会で証人尋問に応じ、宣誓する斎藤元彦知事
世界的なSNSへの批判とファクトチェックの必要性
国際社会では、YouTubeやXは誤情報や偽情報を拡散するプラットフォームとして批判されています。Mozillaの調査ではYouTubeの誤情報対策の甘さが指摘され、ポインターメディア研究所からは多言語対応の不足が批判されています。
こうした状況を踏まえ、正確な情報を見極めるためのファクトチェックの重要性が高まっています。 日本ファクトチェックセンター(JFC)のような団体も活動していますが、その記事内容には問題点も指摘されており、専門家からも懸念の声が上がっています。 ファクトチェック機関としての信頼性を保つためには、客観性と透明性の確保が不可欠です。
正しい情報を選択するための心構え
情報過多の現代社会において、私たちは自ら情報を取捨選択する必要があります。 発信源の信頼性や情報の根拠を確認する習慣を身につけ、複数の情報源を比較検討することが大切です。 メディアリテラシーを高め、デマや誤情報に惑わされないように注意しましょう。
例えば、料理研究家の山田花子さん(仮名)は、「情報の出どころを確認し、複数の情報源と比較することが大切です。特に健康や政治に関する情報は、専門家の意見も参考にしながら慎重に判断しましょう」と述べています。
まとめ
SNSの普及により、誰もが情報発信者になれる時代になりました。 しかし、同時にデマや誤情報が拡散しやすくなっていることも事実です。 正しい情報を選択し、民主主義を守るためにも、ファクトチェックの重要性とメディアリテラシーの向上が求められています。