今夏の梅雨は降水量が例年より多いという予報が出る中、韓国軍当局が「北朝鮮の接境地域に埋設された地雷が集中豪雨の際に南側へ流されてくることもあり得る」として注意を呼びかけた。昨年、軍事境界線(MDL)一帯の「国境化」作業にまい進していた北朝鮮は、工事の過程で大量の地雷を追加で埋設したと伝えられている。
韓国軍の合同参謀本部(合参)は22日、「北朝鮮軍が地雷を埋設した地域の一部は臨津江、漢灘江、花江、北漢江、麟北川など南北共有河川や、漢江河口に面している」「集中豪雨が発生した場合、北側の地雷が流失して韓国の地域に流入する恐れがある」と発表した。
さらに韓国軍は、地雷かもしれない物体を識別できるように、かつて北朝鮮で流失した地雷の写真を併せて公開した。木箱地雷や樹脂材(PMN)反歩兵地雷、木の葉地雷などだ。これらの地雷は、金属に反応する地雷探知機ではうまく探知されず、一般人が地雷かどうか識別するのも難しいので、人命被害の恐れが高いといわれている。
2015年に北朝鮮が埋設した木箱地雷を踏んだ陸軍の下士(伍長〈ごちょう〉に相当)は、両足の膝から下を切らなければならなかった。一緒に捜索作戦を行っていた別の下士も、木箱地雷の爆発で右足首を切断した。民間人が好奇心から木箱地雷に触り、死亡したりけがをしたりするケースもあると伝えられている。
合参は、南北共有河川付近で活動する際には北朝鮮の流失地雷に気を付けるべきだとしつつ「当該地域で地雷と推定される未詳の物体を発見したら、絶対に触らず、近くの軍部隊や警察署に申告してほしい」とコメントした。
イ・ガヨン記者