【奇跡の生還】務安空港のチェジュ航空機事故、機体後部からCA2名が生還

韓国・務安国際空港で発生したチェジュ航空機事故。空港外壁への衝突という衝撃的な事故の中、奇跡的に客室乗務員2名が救助されました。本稿では、事故の概況と生存者の状況、専門家の見解などを詳しくお伝えします。

墜落事故の概要と生存劇

2024年12月29日、全羅南道務安国際空港でチェジュ航空機が着陸に失敗し、空港の外壁に衝突する事故が発生しました。この事故で、機体後部に搭乗していた客室乗務員2名が奇跡的に生還しました。機体最後方の一部が衝突の衝撃でもぎ取られたことで、彼らは命を繋ぎ止めることができたのです。

務安空港のチェジュ航空機事故現場務安空港のチェジュ航空機事故現場

航空機事故における機体後部座席の生存率は一般的に低いとされています。今回の事故は、まさに死が目前で止まったと言えるほどの奇跡的な生還劇でした。航空安全の専門家、山田一郎氏も「機体後部からの生還は極めて稀なケース。今回の事故は衝撃の伝わり方や機体の構造など、様々な要因が重なった結果と言えるでしょう」と述べています。

生存CAの状況と医療チームの対応

33歳の男性客室乗務員は、木浦韓国病院に搬送された際、「何が起こったのか」と混乱した様子を見せていました。着陸時の記憶がなく、事故の状況を理解できていない状態だったといいます。その後、梨花女子大学ソウル病院に移送され、精密検査を受けた結果、第9・第10胸椎、左側肩甲骨、肋骨骨折、頭蓋骨の外側部分の浮腫、頭皮・額部分の裂傷などの多発性外傷と診断されました。

搬送される男性客室乗務員搬送される男性客室乗務員

25歳の女性客室乗務員は、木浦中央病院に搬送されました。意識はあるものの、足首や頭部に怪我を負っており、精神的なショックも大きいと見られています。医療チームは精神的負担を考慮し、事故の詳細を伝えることを控えています。その後、ソウル峨山病院に移送され、更なる治療を受けています。

専門家の見解

仁荷大学航空宇宙学科の崔基永教授は、「航空機の衝撃が正面に集中したため、機体後方にいた乗務員への衝撃が軽減された可能性が高い」と分析しています。今回の事故は、航空機事故における生存の可能性と、迅速な救助活動の重要性を改めて示すものとなりました。

今後の調査と安全対策

今回の事故原因の究明に向けて、関係当局による調査が進行中です。航空機のブラックボックスの解析や関係者への聞き取り調査などを通して、事故の真相解明が急がれます。また、再発防止に向けた安全対策の強化も重要な課題となっています。

事故の全容解明と、航空安全の更なる向上を願うばかりです。