六代目山口組、厳戒態勢の中での餅つき行事:伝統と緊張が交錯する年末

2024年末、日本列島を強い寒気が覆う中、愛知県内にある六代目山口組傘下組織の事務所で恒例の餅つきが行われました。厳戒態勢の中、伝統行事と緊張感が交錯する現場の様子を詳しくお伝えします。

厳重な警備体制とメディアの注目

早朝7時、凍えるような寒さにも関わらず、愛知県警をはじめとする全国の警察官、そして多くのメディア関係者約50名が事務所前に集結。ガレージ前には鋭い視線が向けられ、周辺では組員の車両が巡回するなど、未だ続く分裂抗争の緊張感が漂っていました。

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新旧幹部の姿:注目の人物も参加

取材班が到着すると、早速山健組・中田浩司組長が登場。赤いダウンジャケットにスウェット、スニーカーというスポーティな服装で、周囲の視線も気に留めず会場入りしました。中田組長は、2024年10月に殺人未遂容疑で逮捕されながらも無罪判決を受けたばかり。分裂前は直参組長ではなかったため、餅つきへの参加は今回が初めてとなり、注目を集めました。「事始め式」に続き、今回の餅つきでもその動向に注目が集まりました。

その後、新井錠士章友会会長、薄葉政嘉平井一家総裁、吉村俊平吉川組組長など、他の直参組長も続々と到着。昨年同様、PCR検査の結果証明書と見られる書類を手に会場入りする姿が見られました。「事始め式」ではPCR検査で陽性反応が出た組長が帰宅させられたという情報もあり、六代目山口組が感染症対策にも気を配っている様子が伺えます。

強化された警察対策:ブルーシートで覆われた会場

2023年の餅つきではガレージのシャッターが一部開放されていましたが、今回はシャッターこそ降りていないものの、篠原重則事務局長(若林組組長)の指示のもと、隙間なくブルーシートが張られていました。これは、前年の餅つきで警察がプロパンガスの運搬方法を問題視し、篠原組長を逮捕したことを受けての対策と見られます。警察は直参組長から情報を得るために餅つきを監視しており、六代目山口組側も警戒を強めていると言えるでしょう。

弘道会若頭の登場:組織の中枢を担う存在

8時42分頃、事務所が慌ただしくなり、鉄板入りの防弾カバンを持った組員と共に弘道会の野内正博若頭が登場。野内若頭は2023年の餅つきでも現場指揮を執っており、分裂抗争での功績が認められ、若頭に昇格しました。2024年10月には詐欺容疑で逮捕されるも不起訴処分となり、警察からも組織の中枢人物と見なされていることが伺えます。一部では、将来の山口組八代目候補との声も上がっています。

伝統行事と現代社会の狭間で

今回の餅つきは、厳重な警備体制とメディアの注目の中、滞りなく行われました。伝統行事の継続と、分裂抗争や感染症対策といった現代社会の課題との間で、六代目山口組がどのようにバランスを取っていくのか、今後の動向に注目が集まります。