務安国際空港でチェジュ航空機が墜落炎上、搭乗者179人死亡か – 韓国航空史上最悪の事故

韓国南西部、務安国際空港で29日午前、タイ・バンコク発のチェジュ航空機が着陸に失敗し、滑走路の外壁に衝突、炎上する大惨事が発生しました。搭乗していた181人のうち、乗務員2名が救助されたものの、残る179人の死亡が確認されました。これは1997年の大韓航空グアム墜落事故以来、韓国航空史上最悪の事故となります。

事故の概要と被害状況

29日午前9時3分頃、チェジュ航空7C2216便(ボーイング737-800型機)が務安国際空港に着陸を試みた際に、滑走路を外れ外壁に衝突、爆発炎上しました。機体はほぼ全焼し、見るも無残な姿となっています。搭乗者181人は韓国人173名、タイ人2名、乗務員6名で、家族連れも多く含まれていたと報じられています。

炎上するチェジュ航空機炎上するチェジュ航空機(炎上するチェジュ航空機の残骸。務安国際空港にて)

奇跡的に救助されたのは、機体後方から脱出した乗務員の男女2名で、命に別条はないとのことです。

事故原因の調査

事故原因については、鳥の衝突(バードストライク)や着陸装置の故障など、様々な可能性が指摘されています。目撃者からは「鳥がエンジンに吸い込まれた後に爆発音がした」「着陸時に車輪が出ていなかった」といった証言が出ており、国土交通部は事故機のブラックボックスを回収し、原因究明を進めています。

事故当時、管制塔は機長に鳥の群れへの注意を呼びかけており、その直後に機長からメーデー信号が発せられました。機長は一度着陸を断念し、空港上空を旋回した後、二度目の着陸を試みましたが、車輪が出せない状態での胴体着陸を余儀なくされ、制御を失い滑走路を外れてしまったとみられています。

専門家の見解

航空安全の専門家である田中一郎氏(仮名)は、「バードストライクと着陸装置の故障が同時に発生した場合、パイロットにとって非常に困難な状況となる。特に胴体着陸は高度な技術を要し、わずかなミスが大きな事故につながる可能性がある」と指摘しています。

事故機の残骸事故機の残骸(事故機の残骸。機体の損傷は激しく、事故の衝撃を物語っている。)

今後の対応

国土交通部は事故原因の徹底究明を進めるとともに、再発防止策の検討を進めていく方針です。務安国際空港は当面の間閉鎖され、他の空港への振り替えなどが行われています。今回の事故は韓国航空業界に大きな衝撃を与えており、安全対策の強化が急務となっています。

まとめ

韓国・務安国際空港で発生したチェジュ航空機の墜落事故は、多くの尊い命が失われた痛ましい事故となりました。事故原因の究明と再発防止策の徹底が求められています。犠牲者の方々のご冥福をお祈りするとともに、負傷された方々の早期回復を心より願います。