天皇皇后両陛下の長女・愛子さま。大学卒業後、4月に日本赤十字社へ入社、5月に初の単独公務、9月には社会人として初めての夏休み、10月に初めての単独地方公務など、“初めてづくし”の1年だった愛子さまを、テレビ朝日社会部・宮内庁担当の遠藤行泰記者が振り返った。
■学業への姿勢
━━学習院大学では文学部に在籍されていたが、どんな学生だったのか。
「日本の古典文学に関心を持ち、卒論にまつわるエピソードがとても面白い。最後まで良いものに仕上げたいと粘り提出がギリギリになってることを担当教授が明かしているが、これは皇后・雅子さま譲りなのではないかと考えられる。
皇后さまは先日61歳の誕生日をお迎えになったが、記者に渡される恒例の「1年間の感想」にも最後の最後まで手を入れて、ギリギリで提供された。助詞1文字を直すくらい細かくチェックされる。それはまさに愛子さまの卒論も同じだったんじゃないかと思う」
■初公務にも生かされた学業の知識
━━ 5月の初めての公務についてはどうか。
「愛子さまの初の単独公務は、東京国立公文書館での『夢みる光源氏』展だった。予習は当然されていたと思うが、案内している調査員の方がドキッとする、鋭い文学的な質問をしていたそうだ」
━━ 質問は愛子さま自身が考えているものなのか。
「間違いなくご本人だ。あらかじめ資料は用意してると思うが、どんな質問しようかと考えているのはご本人で、調査員の方が何か言うとアドリブで答えられている。愛子さまは、お友達と話してるような距離感で相手を緊張させない。そういった魅力がある」
■日本赤十字社に就職した理由
━━ 4月に入社した日本赤十字社での、愛子さまの仕事の内容とは。
「配属は事業局、青少年・ボランティア課で、情報誌の編集、研修会の運営を行っていると聞いている」
━━ 日本赤十字社に就職した理由は何か。
「3つあると思う。まず就職に際して文書回答を出していて、皇室の役割は、困難な道を歩んでる人に心を寄せることだと書いている。まさに日本赤十字社の仕事が、そういうことに通じる」
また2つ目に、愛子さまの中学・高校の友人が、東日本大震災でボランティア活動をしていて、その影響があったことも明らかにされている。愛子さまは時々、友人の顔を覗かせることがある。例えば、21歳の誕生日にペンダントをつけていたが、それは中学・高校の友人が贈ってくれたものだと説明していた。
最後の3つ目は、日本赤十字社の名誉総裁は皇后さまだ。お母様のそばで力になりたい気持ちもあったと思う。大学院への進学や留学などそのまま学業を続けたら「学業優先」となってしまうが、社会人になることでより多くの公務に携わり、ご両親を助けたいという思いがあったのではないだろうか。
皇后さまが記者会見で『生まれてきてくれてありがとう、と愛子に言いたいです』とおっしゃった。これについて愛子さまの成年会見で質問したところ、『私は産んでくれてありがとう、と言いたいです』とおっしゃった。そういうところから、ご一家の仲の良さが伝わってくる」