ストーンヘンジ。世界でもっとも有名な古代遺跡の一つであり、その謎めいた存在は、長年人々の想像力を掻き立ててきました。近年、活発な研究活動によって、この巨石建造物の起源や目的、そして古代の人々の暮らしぶりについて、新たな事実が次々と明らかになっています。この記事では、最新の研究成果を交えながら、ストーンヘンジの神秘に迫ります。
祭壇石の起源をめぐる冒険
ストーンヘンジの中心に位置する「祭壇石」。その起源については、長らく謎に包まれていました。2024年8月、研究チームは祭壇石が数百キロメートル離れたスコットランド北東部から運ばれてきた可能性を示唆する証拠を発表し、考古学界に大きな衝撃を与えました。そのわずか1ヶ月後、同じ研究チームがオークニー諸島起源説を否定。祭壇石の出所は依然として調査中ですが、この発見は、古代の人々が想像を絶する労力をかけて巨石を運搬していたことを物語っています。
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ストーンヘンジ再建の謎:古代ブリトン人の団結を象徴?
近年の研究では、ストーンヘンジが紀元前2620年から2480年にかけて再建された可能性が浮上しています。この時期は、ヨーロッパ大陸から新たな民族がブリテン島へ渡来していた時代。考古学専門誌「アーケオロジー・インターナショナル」に掲載された論文によると、ストーンヘンジの再建は、古代ブリトン人の結束を促す目的があったと推測されています。6トンもの巨石を700キロメートルも離れた場所からどのように運んだのか、その驚異的な技術にも注目が集まっています。
スコットランドとのつながり:遠く離れた古代社会の交流
スコットランドのストーンサークルとストーンヘンジには多くの共通点が見られます。この事実は、遠く離れた二つの古代社会がこれまで考えられていた以上に密接な関係にあったことを示唆しています。ユニバーシティー・カレッジ・ロンドン(UCL)考古学研究所のマイク・パーカーピアソン教授は、「これらの新たな発見は、ストーンヘンジの本来の目的についての理解を深める上で非常に重要なものです。ストーンヘンジは、近隣住民だけでなく、ブリテン島全体の人々にとって重要な場所であったことが明らかになってきています」と述べています。
ストーンヘンジの謎解明は続く
17世紀に発掘調査が始まって以来、ストーンヘンジの目的や石の配置の意味は謎のままです。しかし、最新の研究成果によって、古代の人々の技術力や社会構造、そして精神世界について、少しずつ理解が深まっています。ストーンヘンジの謎解明は、まだまだ始まったばかりです。今後の研究成果に期待が高まります。