関西電力の役員らが高浜原発のある福井県高浜町の元助役、森山栄治氏(故人)から多額の金品を受け取っていた問題で、元町長の浜田倫三氏(同)が関電の全額出資子会社「関西総合環境センター」(現環境総合テクノス、大阪市)の顧問を20年以上務めていたことが明らかになった。
浜田氏を助役として支えた森山氏も関電子会社の「関電プラント」(大阪市)の非常勤顧問として30年以上契約していたことが分かっており、関電グループと原発の地元自治体幹部との密接な関係が浮かびあがっている。
環境総合テクノスによると、同社の前身企業の一つで放射能分析などを手掛けていた関西総合環境センターの時代に、浜田氏と顧問契約を結んだという。
浜田氏は町長を退任した昭和58年ごろから亡くなる平成17年までの20年以上に渡り、顧問を務めていた。原発立地自治体の元首長として経営陣にアドバイスを行っていたとみられる。顧問料として報酬も支払われていた。
環境総合テクノスは、浜田氏と顧問契約に至った経緯などについて、関電が今後設置する第三者委員会の調査に委ねるとしている。
浜田氏は昭和37年から5期20年間町長を務め、原発誘致を推進した。一方、森山氏は浜田氏の町長時代に高浜町に入庁。その後助役10年間務めて退任した後、昨年末まで関電プラントと顧問契約を結んでいた。