餅の危険性:窒息だけじゃない!腸閉塞の恐怖も潜む年末年始の伝統食

お正月、家族団欒の中でお雑煮やお汁粉、磯辺焼き…美味しいお餅を食べる機会が増えますよね。でも、このお餅、実は窒息事故だけでなく、腸閉塞の原因にもなりうる危険な一面を持っているんです。今回は、餅による腸閉塞の事例と、安全に餅を楽しむための対策をご紹介します。

餅で腸閉塞!?70代女性の苦しい体験

餅が大好きな70代のAさんは、ある日、いつものように鍋に焼き餅を入れて食べました。ところが、その翌日から便秘と腹痛に悩まされることに。痛みは日に日に増し、ついに救急外来へ。レントゲン検査の結果、医師から告げられたのは衝撃の事実でした。「腸にちっちゃな四角いものが詰まっているみたい」。その正体は、なんと餅。消化しにくいえのき茸と一緒に食べた餅が、腸の中でコンクリートのように固まって詰まってしまったのです。Aさんは腸閉塞と診断され、10日間の絶食と点滴による治療を受けることになりました。Aさんは「腸閉塞の痛みは想像以上で、本当に辛かった」と振り返ります。

レントゲン写真レントゲン写真

なぜ餅で腸閉塞が起こる?専門家の見解

北品川藤クリニックの石原藤樹院長によると、餅は体内で消化酵素と反応し、硬くなりやすい性質を持っています。そのため、塊のまま腸まで到達しやすく、さらに粘着性があるため腸壁にくっつき、腸閉塞を引き起こすことがあるとのこと。特にご高齢の方や消化機能が弱い方は注意が必要です。年末年始は石原院長のクリニックにも、餅による腸閉塞の疑いのある患者さんが多く訪れるそうです。

餅

餅を安全に楽しむための秘訣

お餅は日本の伝統食であり、その美味しさは格別です。せっかくのお正月、餅によるトラブルで台無しにしたくないですよね。そこで、安全に餅を楽しむためのポイントをまとめました。

よく噛んで、少量ずつ食べる

餅は粘り気が強く、喉や腸に詰まりやすい食品です。よく噛んで小さくしてから飲み込むようにしましょう。また、一度に大量に食べるのではなく、少量ずつ味わうように心がけてください。

水分を一緒に摂る

餅と一緒に水分を摂ることで、餅が食道や腸内をスムーズに通過しやすくなります。温かいお茶やお吸い物と一緒に食べるのがおすすめです。

消化の悪いものとの組み合わせに注意

Aさんのように、餅と一緒に消化の悪い食材を食べるのは避けましょう。特に、えのき茸やきくらげなどのきのこ類は、餅と同様に消化が悪いため、一緒に食べると腸閉塞のリスクを高める可能性があります。

餅の新しい食べ方も探求してみよう!

近年では、餅をアレンジした様々なレシピが考案されています。例えば、餅を小さく切って揚げたり、野菜と一緒に炒め物にしたりするのもおすすめです。餅の新しい魅力を発見できるかもしれません。

お餅は美味しく、腹持ちも良い素晴らしい食べ物ですが、その一方で危険も潜んでいます。今回ご紹介したポイントを参考に、安全に美味しくお餅を楽しみ、素敵な新年をお迎えください。