知らなかった相続人?!遺産相続の落とし穴と対策

故人が残した遺産。円満に相続できれば良いですが、予期せぬトラブルに見舞われるケースも少なくありません。今回は、突然現れた隠し子による相続争いを通して、スムーズな遺産相続を実現するためのポイントと対策を、相続専門家の視点も交えながら解説します。

突然の訪問者…そして発覚した衝撃の事実

妻の空子さんに全財産を相続させるという公正証書遺言を残し、捨男さんは亡くなりました。一見、何の問題もなさそうな相続手続きでしたが、しばらくすると40代くらいの男性が空子さんのもとを訪れ、「父に線香をあげたい」と告げます。

空子さんは面識のない男性を追い返しましたが、翌日、不安に駆られた彼女は司法書士に戸籍調査を依頼。すると、捨男さんには前妻との間に陰男さんという息子がいたことが判明したのです。捨男さんの過去の結婚歴や息子の存在を全く知らなかった空子さんは、大きなショックを受けます。

戸籍謄本を手に驚く女性戸籍謄本を手に驚く女性

遺留分請求という新たな試練

再び現れた陰男さんは、遺産の相続権を主張。空子さんは拒否しますが、後日、陰男さんから遺留分侵害額請求の内容証明郵便が届きます。つまり、「法定相続分である遺留分をよこせ」という要求です。

「まさか…」と驚きを隠せない空子さん。無視を決め込みますが、最終的には陰男さんから訴訟を起こされ、遺留分を支払うことになってしまいました。

遺産相続トラブルを未然に防ぐには?

このような予期せぬ相続トラブルを防ぐためには、どのような対策が必要なのでしょうか?相続専門の司法書士、山田花子さん(仮名)は次のようにアドバイスします。「相続は、故人の人生が複雑であればあるほど、予期せぬ事態が発生しやすいものです。事前の情報収集や準備が不可欠です。」

相続人調査の重要性

まずは、故人の家族構成や親族関係をしっかりと把握することが重要です。戸籍謄本などを確認し、法定相続人が誰なのかを明確にしておきましょう。場合によっては、専門家への相談も有効です。

遺言書作成のポイント

遺言書を作成する際は、弁護士や司法書士などの専門家に相談し、法的に有効な形で作成することが大切です。また、遺言の内容を家族にきちんと伝えることで、後々のトラブルを回避できる可能性が高まります。

円満な相続を実現するために

相続は、感情的な問題も絡み合い、複雑になりがちです。相続人同士がしっかりと話し合い、お互いの理解を深めることが、円満な解決への第一歩となります。

まとめ:事前の準備とコミュニケーションが鍵

相続トラブルは、誰にでも起こりうる問題です。今回ご紹介したケースのように、隠し子や愛人の存在が発覚し、相続争いに発展することもあります。事前の情報収集や遺言書の作成、相続人同士のコミュニケーションを大切にすることで、スムーズな遺産相続を実現しましょう。

この記事が、皆様の相続準備の一助となれば幸いです。