高齢の親の介護が必要になり、施設入居を検討し始めたものの、なかなかスムーズに進まない…そんな悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。この記事では、漫画家 月野まるさんの実体験に基づき、親の施設入居をスムーズに進めるためのポイント、そして立ちはだかる3つの壁とその乗り越え方について解説します。
介護施設入居の3つの壁
介護・暮らしジャーナリストの太田差惠子さんによると、親の施設入居には大きく分けて3つの壁が存在すると言います。
1. 親の抵抗
多くの高齢者は施設入居に抵抗を示します。「家にいたい」「施設は嫌だ」と頑なに拒否されるケースも少なくありません。家族としては、親の気持ちを尊重しつつ、施設入居の必要性を丁寧に説明し、理解を得ることが重要です。例えば、自宅での介護の負担や、プロの介護によるメリットなどを具体的に伝えることで、親の不安を軽減できるかもしれません。
親が入居する介護施設探しは、なかなかすんなり決まらないものです
2. 親族の反対
兄弟や親戚が施設入居に反対するケースも珍しくありません。「まだ大丈夫」「施設に入れるなんて親不孝」といった意見が出て、家族間で意見が対立してしまうこともあります。このような場合は、親の現状や介護の負担、そして施設入居のメリットなどを親族に丁寧に説明し、理解を求めることが大切です。場合によっては、ケアマネージャーや地域包括支援センターの担当者など、第三者の意見を参考にするのも有効です。
3. 費用の問題
施設入居には費用がかかります。月額30万円以上かかる施設も珍しくなく、経済的な負担が大きいため、入居を諦めざるを得ないケースもあります。費用を抑えるためには、公的な補助制度の活用や、費用が比較的安い施設を探すなどの工夫が必要です。また、将来的な費用についても考慮し、資金計画を立てておくことが重要です。
月野まるさんのケース
月野まるさんの場合は、幸いにも母親が施設入居に前向きで、家族間でも意見が一致していたため、最初の2つの壁はスムーズに乗り越えることができました。しかし、費用の問題がネックとなり、希望する施設にすぐに入居することができませんでした。
そこで、月野さんは地域包括支援センターに相談。結果として、一時的に高額なショートステイを利用することになりました。通常、地域包括支援センターが高額な自費ショートステイを紹介することは稀ですが、月野さんのケースでは、介護認定が下りるまでの繋ぎとして、この方法が選択されました。
施設探しをスムーズに進めるためのポイント
親の施設入居をスムーズに進めるためには、以下のポイントに注意しましょう。
- 早期に情報収集を始め、様々な施設を比較検討する
- 親や家族とよく話し合い、希望条件を明確にする
- ケアマネージャーや地域包括支援センターに相談し、アドバイスを受ける
- 費用の問題についても事前にしっかりと検討する
まとめ
親の施設入居は、家族にとって大きな決断です。3つの壁を乗り越え、スムーズな入居を実現するためには、事前の準備と情報収集、そして家族や専門家との連携が不可欠です。この記事が、少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。