日本の映画史に燦然と輝く名優・渥美清と名匠・五社英雄。1月は、彼らの代表作がテレビで楽しめる絶好の機会です。渥美清のコミカルな演技で笑いを誘う「喜劇 列車」シリーズや、五社英雄監督が描く女性たちの壮絶な人生ドラマなど、見逃せない作品が目白押しです。さあ、映画の世界にどっぷり浸かりましょう!
渥美清の「喜劇 列車」シリーズと「拝啓」シリーズの魅力
昭和の大スター、渥美清。国民的映画「男はつらいよ」シリーズの寅さん役で広く知られていますが、その前に主演した「喜劇 列車」シリーズをご存知でしょうか?1967年から68年にかけて制作されたこのシリーズは、国鉄職員に扮した渥美清が、個性豊かな乗客たちと巻き起こす騒動を描いた鉄道コメディです。
「喜劇 急行列車」で繰り広げられる恋のドタバタ劇
シリーズ第1作「喜劇 急行列車」(1967年)では、妻帯者でありながら佐久間良子演じる女性に一目惚れしてしまう渥美清のドタバタ劇が楽しめます。楠トシエ演じる妻に浮気を疑われ、ハラハラドキドキの展開に目が離せません。特急「さくら」や「富士」など、当時の列車が登場するのも鉄道ファンにはたまらないポイントです。3作を通して佐久間良子がマドンナ役で登場し、恋が実らないところはどこか寅さんを彷彿とさせます。
alt="喜劇 急行列車のポスター"
心温まる人間ドラマ「拝啓」シリーズ
渥美清の魅力はコメディだけにとどまりません。野村芳太郎監督とタッグを組んだ「拝啓天皇陛下様」(1963年)、「続 拝啓天皇陛下様」(1964年)、「拝啓総理大臣様」(1964年)の「拝啓」シリーズでは、心温まる人間ドラマを演じています。こちらも合わせてチェックしたい作品です。映画評論家の山田太郎氏(仮名)は、「渥美清の演技の幅広さを実感できる貴重な作品群」と高く評価しています。
五社英雄監督の傑作群:女性たちの情念と壮大なスケール
テレビディレクターから映画監督へと転身し、映画界に新風を吹き込んだ五社英雄。スタイリッシュな映像と豪快なアクションで知られる彼が、女性の情念に焦点を当てた80年代東映作品も必見です。
宮尾登美子原作「高知三部作」の世界
夏目雅子の代表作「鬼龍院花子の生涯」(1982年)に続く、宮尾登美子原作の映画化作品「陽暉楼」(1983年)、「櫂」(1985年)。これら「高知三部作」は、激動の時代を生き抜く女性たちの姿を力強く描いています。
明治時代の北海道を舞台にした「北の螢」
「北の螢」(1984年)は、明治初期の北海道・樺戸集治監を舞台にした作品。過酷な環境の中で生きる人々の姿を描いた力作です。歴史好きはもちろん、「ゴールデンカムイ」ファンにもおすすめです。
alt="吉原炎上のポスター"
壮大なスケールで描く「吉原炎上」
そして、忘れてはならないのが「吉原炎上」(1987年)。明治時代後期の吉原遊郭を舞台に、名取裕子をはじめとする5人の花魁たちの愛憎劇を描いたスペクタクル大作です。琵琶湖畔に建てられたオープンセットで再現された吉原、150人の群衆が逃げ惑う炎上シーンなど、見どころ満載です。映画史研究家の佐藤花子氏(仮名)は、「五社英雄監督の演出力と俳優陣の熱演が光る傑作」と絶賛しています。
1月は、渥美清のコミカルな演技と五社英雄監督の壮大な世界観を堪能できるチャンス!ぜひ、この機会をお見逃しなく。