冬本番を迎え、電熱ベストや充電式カイロなど、手軽に暖をとれるリチウムイオン電池内蔵の防寒グッズが人気を集めています。しかし、消費者庁によると、これらの製品による事故が近年増加傾向にあることが報告されています。 本記事では、事故の実態と安全に使うための対策を詳しく解説します。
リチウムイオン電池内蔵防寒グッズの事故件数が増加中!
消費者庁のまとめでは、2014年4月から2024年9月までの約10年間で、リチウムイオン電池を使用した電熱ウェアなどの事故が68件報告されています。2020年度以降は増加傾向にあり、2021年度には最多の19件に達しました。
事故の内訳と原因
事故の内訳は、電熱ベストが35件、電熱手袋が15件、電気毛布が7件と、電熱ウェアが全体の約半数を占めています。 事故の原因としては、バッテリーの発熱や発火、煙の発生などが挙げられます。例えば、着用中の電熱ベストのバッテリーが溶けてしまったケースや、ポケットに入れていた充電式カイロから煙が出て発火した例も報告されています。
モバイルバッテリー発熱事故
リチウムイオン電池の特性と安全な使用方法
リチウムイオン電池は小型軽量で高性能な反面、衝撃や圧力、熱に弱いという特性があります。そのため、安全に使用する上で以下の点に注意が必要です。
落下や衝撃に注意!
リチウムイオン電池は落下や強い衝撃によって破損し、発火の危険性が高まります。電熱ウェアなどを着用する際は、激しい運動や接触を避け、丁寧に扱うように心がけましょう。
熱源の近くに置かない!
暖房器具の近くや直射日光の当たる場所にリチウムイオン電池を放置すると、過熱して発火する恐れがあります。特に、電熱ウェアを着用したまま暖房器具に近づきすぎないように注意が必要です。布団の中なども危険です。
充電時の注意点
充電中は発火の危険性があるため、可燃物から離れた風通しの良い場所で行いましょう。また、充電中は定期的にバッテリーの状態を確認し、異常を感じた場合はすぐに充電を中止してください。
専門家の意見
電池専門家の田中一郎氏(仮名)は、「リチウムイオン電池は正しく使用すれば安全な製品ですが、その特性を理解し、適切な取り扱いをすることが重要です。特に冬場は低温環境での使用も増えるため、より一層の注意が必要です。」と述べています。
まとめ:安全な冬を過ごすために
リチウムイオン電池内蔵の防寒グッズは、正しく使用すれば快適な冬を過ごすための便利なアイテムです。しかし、事故のリスクを理解し、適切な対策を講じることで安全性を確保することが大切です。この記事で紹介したポイントを参考に、安全で快適な冬をお過ごしください。