2018年に死んだ子を運んで17日間泳ぎ続けたことで知られる雌のシャチが、米西部シアトル沖で死んだ子を再び頭に乗せて泳いでいるのが見つかった。
米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)が2日報じた。シャチは同様のやり方で悲しみを表すこともあるとされるが、前回は死んだ子と共に1600キロも泳ぎ、研究者らは異例の長さだと指摘していた。
「J35」と呼ばれている25歳前後のこのシャチは、通常カナダ西部ブリティッシュコロンビア州から米西部ワシントン州沿岸にかけて生息する群れのうちの一頭。昨年12月に新たな子を産んだが、今月1日までに死んだとみられる。約70頭のこの群れは絶滅の恐れが指摘されている。
研究者たちの2日の発表によると、このシャチは死んだ子を運び続け、自分の餌の確保ができないため仲間の助けを受けている。カリフォルニア大デービス校の研究者ジョー・ゲイドス氏は「深く悲しんでいると言っていいだろう」と話している。