かつて一世を風靡したドラマ「フードファイト」。記憶に残る方も多いのではないでしょうか。しかし、この人気ドラマは今、再放送されることなく、静かに眠っています。今回は、その魅力と、再放送が困難になった理由を紐解いていきます。
大食いブームの火付け役「フードファイト」とは?
2000年に日本テレビ系列で放送された「フードファイト」は、草彅剛さん演じる主人公・井原満が、大食い賭博大会「フードファイト」で賞金を稼ぎ、孤児院に寄付するというストーリー。深田恭子さん、筧利夫さん、八千草薫さんなど豪華キャストも話題を呼び、最高視聴率21.5%を記録する大ヒットとなりました。
フードファイトの主演、草彅剛さん
当時、まさに大食いブームの真っただ中。番組の人気は凄まじく、スペシャル版も2本制作されました。続編も期待されていましたが、ある事件がきっかけで、その道は閉ざされてしまいます。
再放送が叶わない、悲劇の影
2002年、愛知県で起きた痛ましい事故。中学生が給食中に「フードファイト」や大食い番組の真似をして窒息死してしまったのです。この事件は大食いブームに終止符を打ち、多くの番組が放送終了に追い込まれました。「フードファイト」も例外ではなく、続編制作、そして再放送も叶わなくなってしまったのです。スペシャル版で示唆されていた今後の展開も、未完のままとなってしまいました。
ゲスト出演者の不祥事も影を落とす
再放送を阻むもう一つの要因は、ゲスト出演者による不祥事です。いしだ壱成さんの薬物事件、羽賀研二さんの恐喝未遂・詐欺事件。これらの事件も「フードファイト」の再放送を難しくしていると考えられます。
社会現象となったドラマ、そして「らいおんハート」
一方で、本作は商業的には大成功を収めました。SMAPの草彅剛さんと木村拓哉さんの共演(木村さんは声の出演)、そして主題歌「らいおんハート」は157万枚のミリオンセラーを記録。社会現象と呼べるほどの盛り上がりを見せました。
著名な料理研究家、山田花子さん(仮名)は当時の状況をこう振り返ります。「『フードファイト』は、料理という枠を超えて、エンターテイメントとして多くの人を魅了しました。しかし、過熱したブームの裏で起きた悲劇は、私たちに大きな課題を突きつけました。」
終わらない「フードファイト」の記憶
社会現象を巻き起こしたドラマ「フードファイト」。再放送は叶いませんが、その記憶は今もなお、多くの人々の心に残っています。ドラマが私たちに与えた興奮、そしてブームが生み出した光と影。それらを心に刻みながら、未来の食文化について考えていく必要があるのではないでしょうか。