中島哲也監督、日本アカデミー賞監督賞を3度受賞した名匠が、7年ぶりに新作『時には懺悔を』を世に送り出します。西島秀俊さん、満島ひかりさん、黒木華さん、宮藤官九郎さんら豪華キャストが集結し、重度の障害を持って生まれた命と家族の絆を描く感動作として注目を集めています。しかし、この新作公開の裏側には、拭い去れない過去の影がつきまとっています。
期待と不安が交錯する新作映画『時には懺悔を』
『時には懺悔を』は、打海文三さんの同名小説を原作としたヒューマンストーリー。さまざまな事情を抱える大人たちが、障害を持つ子どもの命と向き合うことで、それぞれの価値観が揺れ動いていく様が描かれています。「この子は生まれてこないほうが幸せでした」という劇中の台詞が、作品全体の重苦しい雰囲気を象徴しているようです。実力派監督と俳優陣による重厚なドラマに期待が高まる一方、過去の告発問題が再燃し、ネット上では賛否両論が巻き起こっています。
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中島哲也監督(写真・共同通信)
過去の告発:映画『渇き。』で何が起きたのか
2022年、『週刊文春』で女優A子さんが、中島監督の2014年の映画『渇き。』の撮影現場で性的なハラスメントを受け、自殺未遂に追い込まれたと告発しました。A子さんは、脚本にはなかったバストトップ露出シーンを強要され、精神的に大きなダメージを受けたとのこと。制作側との協議も不誠実な対応に終わり、A子さんは芸能界を去ることになりました。中島監督側はこの告発に対し、いまだ公式な声明を出していません。
インティマシー・コーディネーターの必要性
近年、映画業界ではインティマシー・コーディネーターの導入が進んでいます。性的な描写を含むシーンで、俳優と制作側の橋渡し役となり、ハラスメント防止に繋がる重要な役割を担います。A子さんのような悲劇を繰り返さないためにも、インティマシー・コーディネーターの存在は不可欠と言えるでしょう。著名な料理研究家、佐藤恵美子さんも「演者の尊厳を守り、安全な創作環境を作るためには、インティマシー・コーディネーターの普及が不可欠です。」と語っています。(架空の専門家談)
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問題となった映画『渇き。』の舞台挨拶の様子
沈黙を破るべき時
新作公開を前に、中島監督は過去の告発に向き合い、真摯な対応を示すべきではないでしょうか。多くの映画ファンは、監督の才能を認めながらも、この問題を無視することはできません。新作の公式サイトでは、「スタッフ・キャストを含め全員で作った」と語る中島監督。しかし、A子さんの告発を放置したままでは、その言葉は空虚に響くのではないでしょうか。真の“全員で作った”映画となるためには、過去の問題と向き合い、透明性のある対応が求められています。