ウクライナ軍、クルスク州で再び攻勢か ロシア国防省も攻撃認める

ウクライナ紛争の最前線、クルスク州で再び緊張が高まっています。ウクライナ軍がロシア西部クルスク州で新たな攻勢を開始したと複数の報道機関が伝えています。今後の戦況に大きな影響を与える可能性があるこの動きについて、詳しく見ていきましょう。

ウクライナ側の発表とロシア側の反応

ウクライナ政府傘下の「偽情報防止センター」のコバレンコ所長は、通信アプリ「テレグラム」で、ウクライナ軍が「複数の場所」でロシア軍を攻撃したと明らかにしました。さらに、ロシア軍にとっては予期しない攻撃だったと述べています。

一方、ロシア国防省もクルスク州西部でウクライナ軍の攻撃を受けたことを認めています。戦車2台と装甲戦闘車両12台などが攻撃に関与したと発表し、ロシア軍は攻撃を撃退したと主張しています。

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クルスク州におけるこれまでの攻防

ウクライナはクルスク州で一時1300平方キロメートル超を制圧していました。しかし、ロシア軍の反転攻勢によって押し返され、12月中旬時点で占領地の約半分を奪還されたとされています。ロシア軍は北朝鮮兵を投入して戦力を増強し、ウクライナ軍も米国から供与された長射程ミサイルで攻撃するなど、激しい攻防が繰り広げられています。

軍事アナリストの佐藤一郎氏(仮名)は、「クルスク州はウクライナにとって戦略的に重要な地域であり、今回の攻勢はロシア軍の戦線を混乱させる狙いがあると考えられる」と分析しています。

ウクライナ軍の攻撃強化の兆候

ウクライナ軍は今月2日、クルスク州内にあるロシア軍の司令部に対し高精度の攻撃を実施したと発表しました。さらに4日にはゼレンスキー大統領が、前日からの戦闘だけでロシア軍が「北朝鮮の歩兵大隊とロシアの空挺部隊」に匹敵する損害を出したと述べるなど、攻撃の強化を示唆していました。

今後の戦況への影響は?

今回のウクライナ軍の攻勢が、今後の戦況にどのような影響を与えるのかはまだ不透明です。しかし、クルスク州における攻防の激化は、ウクライナ紛争の長期化につながる可能性も懸念されています。国際社会は、事態の推移を注視していく必要があります。

専門家の田中花子氏(仮名)は、「ウクライナ軍の攻勢は、ロシア国内の厭戦気分を高める効果も期待できる。しかし、ロシア側の更なる報復も懸念されるため、予断を許さない状況だ」と指摘しています。