クリスマスの祝祭ムードが一転、悲劇に包まれたブラジル南部リオ・グランデ・ド・スル州トーレス市。手作りケーキによる食中毒死事件で、衝撃の展開が明らかになりました。
手作りケーキで3人死亡、原因は猛毒ヒ素
2022年12月23日、クリスマスイブ前日に起こったこの事件。家族で祝うはずのクリスマスケーキが、3人の命を奪う凶器となりました。ゼリ・ドス・アンジョスさん(61歳)が心を込めて作ったケーキを食べた妹2人と姪が、食後まもなく体調を崩し、帰らぬ人となったのです。
クリスマスケーキにヒ素を混入したとされる容疑者のデイセ・モーラ・ドス・アンジョス氏(右)と問題のケーキ(左)
容疑者は義理の娘、ネット検索履歴から犯行発覚か
事件から数日後、警察はゼリさんの義理の娘、デイセ・モーラ・ドス・アンジョス容疑者を逮捕。容疑は3人殺害と3人殺人未遂。なんと、デイセ容疑者は事前にケーキの小麦粉に猛毒のヒ素を混入していた疑いが持たれています。警察によると、デイセ容疑者の携帯電話からは「ヒ素」に関するネット検索履歴が見つかっており、計画的な犯行の可能性が高いとみて捜査を進めています。
ケーキを食べた人全員が異変、義母は一命を取り留める
事件当時、ケーキを口にした全員が「奇妙な味」を感じていたとのこと。10歳の少年が異変を訴えたところ、ゼリさんが制止。その後、ケーキを食べた人たちは次々と体調を崩し始めました。ゼリさんも毒入りケーキを口にしましたが、少量だったため一命を取り留めました。現在も集中治療室で治療を受けており、回復次第、事情聴取が行われる予定です。
捜査は進展、家族間の確執が背景か?
警察はこれまでに約15人に事情聴取を実施。一見円満に見えた家族関係の裏に、何らかの確執が隠されていた可能性も浮上しています。担当捜査官は「家族間には基本的に良好な関係が築かれていたものの、ある人物によって不和が生じていた」と語り、複雑な人間関係が事件の背景にあることを示唆しています。
事件の舞台となったブラジル南部リオ・グランデ・ド・スル州トーレス市
動機解明が焦点、今後の捜査に注目
デイセ容疑者は現在、州立女性刑務所に収容されています。警察は「容疑者を特定する証拠は揃っている」としながらも、犯行動機については捜査に支障が出るとして明らかにしていません。果たして、彼女を凶行に駆り立てたものは何だったのか?今後の捜査の進展が待たれます。
過去の食中毒死も再捜査へ
また、この事件をきっかけに、昨年9月に食中毒で亡くなったゼリさんの夫の死についても再捜査が行われることになりました。一連の事件に関連性はあるのか?真相究明が急がれます。