韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領による「非常戒厳」の宣布を巡り、尹氏を内乱などの容疑で捜査する高官犯罪捜査庁(高捜庁)の呉東運(オ・ドンウン)庁長は7日、尹氏の逮捕に失敗したことについて、国会の委員会で「国民に心からおわびする」と謝罪した。6日にソウル西部地方裁判所に逮捕状を再請求しており、「2回目の逮捕状執行が最後になるという異例の決意で、しっかり準備する」と強調した。
高捜庁は2024年12月31日に同地裁から逮捕状の発付を受け、25年1月3日、尹氏の逮捕を試みた。だが尹氏の公邸を守る大統領警護庁が抵抗し、失敗。この逮捕状の執行期限は6日までだった。
呉氏は「逮捕状の執行は裁判所の命令であり、正当な職務執行だ。妨害されるべきではない」と指摘。「法治が損なわれたことに胸が痛く、国民に申し訳ない」と述べた。
高捜庁や警察などで作る合同捜査本部は、裁判所が逮捕状を再発付すれば、再び尹氏の逮捕を試みる方針。ただ、大統領警護庁は断固として逮捕を阻止する構えを見せている。合同捜査本部は、逮捕の方法やタイミングを慎重に検討するとみられる。【ソウル福岡静哉】