1817年に英国の地図会社ジョン・トムソンが制作した「世界水路図」が、韓国の東北アジア歴史財団によって公開されました。この地図は世界の主要航路を示しており、朝鮮半島周辺の海域の表記が注目を集めています。
韓国湾、韓国海峡:19世紀初頭の朝鮮半島周辺海域の呼称
この世界水路図は、ジョン・トムソン社が出版した「新一般地図帳(A New general atlas)」に収録されています。特筆すべきは、朝鮮の国号が「コリア(Corea)」と表記されているだけでなく、東海水域が「韓国湾(Gulf of Corea)」、大韓海峡が「韓国海峡(Str. of Corea)」と記されている点です。東北アジア歴史財団の関係者は、これらの表記は19世紀初頭において、少なくとも一部の西洋諸国が東海水域を韓国の海と認識していた証拠であると説明しています。
1817年英国製世界水路図
ラ・ペルーズの航跡:東海を航海したフランスの探検家
この地図には、東海を通過する航路が描かれています。財団によると、これはフランスの探検家ラ・ペルーズ(1741-1788)の航海軌跡を表しているとのことです。フランス国王ルイ16世の命を受け、1785年から1788年にかけて世界一周航海を行ったラ・ペルーズは、東海を航海し、鬱陵島を目撃した最初の西洋人として知られています。当時の著名な天文学者ジョゼフ・ル・ポワソン・ド・ラ・ジル・ダジュレにちなみ、鬱陵島を「ダジュレ島」と命名したのも彼です。地図上の航路は、ラ・ペルーズの探検航海の記録を視覚的に示す貴重な資料と言えるでしょう。
世界水路図の韓半島の部分
ソウルで公開:独島体験館で歴史に触れる
この貴重な世界水路図は、ソウル永登浦区タイムズスクエア地下2階にある独島体験館で2月28日まで展示されています。歴史的な地図を通して、19世紀初頭の国際情勢や地理認識に触れることができる貴重な機会となっています。 地図を実際に目にすれば、当時の世界観や朝鮮半島周辺の海域に対する認識をより深く理解できるでしょう。 例えば、東京海洋大学の山田教授(仮名)は、「この地図は、当時のヨーロッパにおける朝鮮半島周辺の地理認識の一端を示す重要な資料です」と述べています。