福岡県直方市が、山陽新幹線小倉―博多駅間に新駅誘致を目指す動きを本格化させています。筑豊地域の交通結節点となる可能性を秘めたこの構想は、地域経済活性化の起爆剤となるのでしょうか。本記事では、新駅誘致の背景、期待される効果、そして課題について詳しく解説します。
直方市、新幹線新駅誘致に再挑戦!
直方市は、以前にも新幹線新駅誘致を検討していましたが、巨額の事業費がネックとなり断念していました。しかし、九州における半導体関連企業の集積や、県による工業用地整備の進展など、地域経済の活性化が期待される今、再び新駅誘致に名乗りを上げました。
alt新駅予定地は、市北部の植木地区。既存の福北ゆたか線筑前植木駅、筑豊電気鉄道新木屋瀬駅に加え、九州自動車道鞍手ICにも近く、まさに交通の要衝と言えるでしょう。直方商工会議所の谷弥壽彦会頭は、「交通の結節点として、新駅を作るにはここしかない」と力強く語っています。
新駅誕生で期待される効果とは?
新駅が実現すれば、福岡市や北九州市へのアクセスが大幅に向上し、通勤・通学の利便性が向上することはもちろん、観光・ビジネス交流の拡大にも大きく貢献すると期待されています。
九州経済調査協会の岡野秀之常務理事は、山陽・関西地方との交流拡大、TSMCが立地する熊本県との移動時間短縮、周辺のトヨタ自動車九州などのグローバル企業との連携強化など、多岐にわたる効果を指摘しています。さらに、データセンターなどの誘致促進も期待されており、地域経済の活性化に大きな波及効果をもたらす可能性を秘めています。
地域連携が鍵となる誘致活動
直方市は、新駅誘致を地域全体の活性化につなげるため、近隣自治体との連携を強化していく方針です。来年度末の期成会設立を目指し、その前には準備会を設置する予定です。
巨額の負担金という大きな課題はありますが、市は準備会や期成会での綿密な調査を通じて、新駅の経済効果を明確化し、関係各方面の理解と協力を得ながら誘致活動を進めていく考えです。
新駅は筑豊の未来を明るく照らすか?
新幹線新駅誘致は、筑豊地域にとって大きな転換点となる可能性を秘めています。交通アクセス向上による経済効果、雇用創出、地域の魅力向上など、様々なメリットが期待されます。
altしかし、巨額の事業費の確保、JR九州との調整など、乗り越えるべきハードルは少なくありません。「地域にとってメリットがあることをJRに示すことが重要」と岡野氏は強調しています。
直方市を中心とした地域一体となった取り組みが、新駅誘致実現の鍵を握っていると言えるでしょう。今後の動向に注目が集まります。