お笑い芸人のカンニング竹山氏が21日、フジテレビの情報番組「サン!シャイン」に出演し、山梨県富士河口湖町にある通称「コンビニ富士山」の撮影スポットにおける「課金制」導入を提案しました。これは、訪日外国人観光客による迷惑行為が後を絶たない現状に対し、持続可能な観光と地域住民の生活の調和を図るための新たな解決策として注目されています。
サン!シャインでコンビニ富士山の課金制を提案するお笑い芸人カンニング竹山氏
観光客殺到、「コンビニ富士山」が抱える深刻な課題
「コンビニ富士山」として知られるこの場所は、コンビニエンスストアと富士山を同時に写真に収められる unique な構図で、特に訪日外国人観光客の間で絶大な人気を誇る撮影スポットです。しかし、その人気の裏で、斜め横断、店舗敷地への無断立ち入り、ゴミのポイ捨てといった迷惑行為が常態化し、近隣住民の生活に深刻な影響を与えています。番組ではこの現状が取り上げられ、スペシャルキャスターを務める元自民衆院議員で実業家の杉村太蔵氏が、竹山氏に解決策を求めました。このオーバーツーリズム問題は、全国各地で観光客のマナー問題として浮上しており、今回の提案はその解決に向けた一石となる可能性があります。
竹山氏の提案:課金による観光化と住民還元
竹山氏は、訪日外国人が日本の「建造物と富士山」の組み合わせを特に好む傾向を指摘し、「お金を取っちゃっても観光化するのか、シャットアウトするのか。行政も入って地元で話し合って、お金取ってもうけるというのもアリだと思います」と、課金制導入による観光地化を提唱しました。
MCの谷原章介氏が「設置費用は自治体が持っているんでしょうし、近隣の住民の人にとっては何のメリットもないじゃないですか」と疑問を投げかけると、竹山氏は「お金を取る場合は住民の人々にも分配できるような、還元できるようなことをやってもいいのかなと思います」と回答。さらに、バス会社や鉄道会社とも連携し、特定エリアへの立ち入り禁止や、集団での滞留を避けるよう注意喚起を促すことも提案しました。住民の生活環境保護と観光収益のバランスを取る視点は、持続可能な観光運営において不可欠です。
MC谷原氏との議論と過去の対策
竹山氏は、さらに「あんまり教えたくないけど、もっときれいに撮れるとこ、あるぜ」と別の撮影スポットの存在を示唆しましたが、谷原氏から「それはやめましょう。そっちの人に影響あるかもしれないですから」とたしなめられ、新たな場所でのオーバーツーリズム発生を懸念する声も上がりました。
「コンビニ富士山」では昨年5月、周辺の交通渋滞や迷惑行為を抑制するため、高さ約2.5メートル、幅約20メートルの目隠し幕が設置されました。同年8月には台風接近に伴い一時撤去されましたが、今年8月からは大型バスのミラーに当たる問題に対応するため、高さを約1.4メートルに低くして再設置されています。しかし、これらの対策にもかかわらず、迷惑行為は依然として続いており、根本的な解決策が求められています。
まとめ
カンニング竹山氏による「コンビニ富士山」への課金制提案は、訪日外国人観光客の増加に伴うオーバーツーリズム問題に対し、経済的な側面と地域住民への配慮を両立させようとする新たな試みです。単なる規制だけでなく、観光資源としての価値を再定義し、その収益を地域に還元することで、住民と観光客が共存できる環境を構築する可能性を秘めています。今後、この提案が具体的な議論へと発展し、全国の観光地が抱える同様の課題に対する有効な解決策となるか、注目されます。
参照元
- Yahoo!ニュース: カンニング竹山「コンビニ富士山」課金制を提案「行政も入って地元で話し合い、もうけるのもアリ」
- 日刊スポーツ (関連写真): 【写真】幕越しにコンビニと富士山を撮影する観光客