韓国の戒厳令宣言で揺れる日本の大学生たちの心:尹大統領への失望と日韓関係の不安

韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が2023年12月に戒厳令を宣言した出来事は、日本社会にも波紋を広げ、特に韓国について学ぶ大学生たちの間に大きな動揺を引き起こしました。静岡県立大学の小針進教授(現代韓国・朝鮮社会論)が静岡県立大学と慶應義塾大学の学生を対象に行ったアンケート調査では、尹大統領の決断に対する失望や今後の日韓関係への不安の声が多数寄せられました。

戒厳令宣言に対する学生たちの反応

小針教授のアンケート調査は、戒厳令発令直後の2023年12月6日から12日にかけて実施され、自由記述形式で韓国人留学生を含む88名の学生のうち42名から回答が得られました。回答の中には、「今までの韓国のイメージと違い困惑した」「尹大統領に失望した」といった戸惑いの声が多く見られました。

韓国の国会周辺に集まった人々韓国の国会周辺に集まった人々

中には、「戦争が起きてしまうのではないかと心配になった」という深刻な不安を抱く学生や、具体的な影響として「春休みに計画していた韓国旅行を取りやめた」という学生もいました。一方で、戒厳令に抗議する韓国市民の姿に「感銘を受けた」という肯定的な意見もありました。

学生たちの不安:日韓関係の悪化

アンケート結果からは、学生たちが今後の日韓関係の悪化を懸念している様子が読み取れます。特に、日本に厳しい姿勢をとる革新勢力が今後政権を握った場合、反日感情が再燃する可能性を不安視する声が上がっています。

小針教授は、今回の調査結果について「日本に理解を示していた尹大統領の政策転換に戸惑い、今後の日韓関係の行方を懸念する学生たちの不安が浮き彫りになった」と分析しています。 例えば、韓国料理研究家のキム・スンヨン氏(仮名)も、「食文化交流は両国の友好関係を築く上で重要な役割を果たしてきた。政治的な緊張が高まると、こうした草の根レベルの交流にも影響が出かねない」と懸念を示しています。

今後の日韓関係の展望

今回の戒厳令宣言は、日韓関係にどのような影響を与えるのでしょうか。今後の日韓関係の行方は、両国政府の対応だけでなく、市民レベルでの相互理解と協力が鍵となります。大学生たちの不安を払拭し、未来志向の日韓関係を築いていくためには、両国間の継続的な対話と交流が不可欠です。