扱いづらい、浮いている…「モンスター社員」を生み出しやすい企業の残念な“思考回路”とは


【図で見る】3割を超える「就業後3年以内」の離職率

 採用が思うようにうまくいかない。そんな悩みを抱える企業は、決して少なくありません。

 「応募が集まらない」

 「途中で離脱されてしまう」

 「入社してもすぐに辞めてしまう」

 その原因は何かと問われると、多くの企業が「時代の変化」や「若者の価値観の多様化」によるものだととらえがちです。

 確かにそれも一因ではありますが、私がこれまで多くの企業を支援してきたなかで「採用がうまくいかない理由」はただひとつの要因で語れるものではなく、複数の課題が複雑に絡み合った“構造”として存在しているということが見えてきました。

 本稿では今、採用の現場で起きている“ミスマッチの正体”を丁寧に分解しつつ、「なぜこれだけ“想い”や“理念”を発信しているのに、うまくいかないのか」という疑問に、実践的なヒントを加えながら答えていきます。

 企業と働く人の価値観をマッチングする「スタイルマッチ」という考え方をより深く理解してもらうためにも、まずはここで“採用の現実”に正面から向き合っていきましょう。

 No Companyでのここ数年間の業務を通じて、はっきり見えてきたことがあります。それは、企業が「パーパス」や「ミッション・ビジョン・バリュー」を発信していても、ミスマッチが減らないということです。

 従業員5000人以上の大企業の約7割がパーパスを設定しており、経営者の約97%が「パーパスを浸透させることは重要」と考えているというデータがあります。同時に、ミッションやビジョンの発信が増加していることも数字に表れています。



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