タリーズコーヒーでアルバイトをしていた方が、退職理由を匿名でインターネット上に投稿し、話題になっています。自宅学習の指示と未払い残業の可能性が指摘され、労働時間や残業代に関する議論が巻き起こっています。この記事では、この問題について詳しく解説し、タリーズコーヒー側の見解や専門家の意見も交えながら、労働時間と残業代の正しい理解を深めていきます。
バイト退職の真相とは?自宅学習の強制と残業代未払いの疑惑
ある元アルバイトの方が、タリーズコーヒーを退職した理由をインターネット上に投稿し、波紋を広げています。投稿によると、「自宅でレシピやオペレーションを完全に覚えてくるように」と指示されたものの、その学習時間は膨大で、アルバイト代も支払われなかったとのこと。さらに、マニュアルを十分に読んでいなかったことで店長から厳しく叱責されたと訴えています。この状況に納得がいかず、アルバイトを辞める決断に至ったと述べています。
タリーズコーヒーの店舗の様子
タリーズコーヒー側の主張:eラーニングは就業時間内に利用するもの
タリーズコーヒーを運営するタリーズコーヒージャパンは、この件について驚きを示しつつ、eラーニングは就業時間内に使用するものであり、自宅での確認を強制するような指示は一切していないと反論しています。新人研修では、フードやドリンクの作り方を動画やテキストで学ぶeラーニングシステムを利用しており、スマートフォンでアクセスできるURLを研修生に提供しているとのこと。学習内容のボリュームについては、確かに一度に全てを覚えるのは難しいかもしれないと認めながらも、社員や先輩アルバイトによる直接指導も行っているため、eラーニングだけで学習が完結するわけではないと強調しています。また、社員も研修生と同じアカウントでログインすることで進捗状況を把握できるなど、丁寧な指導体制が整っていると主張しています。
労働時間とは?専門家の見解と残業代請求の可能性
労働時間とは、使用者の指揮命令下にある時間と定義されています。厚生労働省のガイドラインによると、使用者の明示または黙示の指示によって労働者が業務に従事する時間は、実際に職場で働いている時間だけでなく、更衣時間や移動時間なども含まれます。eラーニングの場合、状況によって労働時間とみなされる場合とみなされない場合があります。
今回のケースでは、会社側から自宅学習を強制されていた場合、たとえ自宅であっても労働時間とみなされる可能性があります。一方、タリーズコーヒー側の主張通り、自宅学習が強制ではなく自主的なものであれば、労働時間には該当しない可能性が高いです。 労働問題に詳しい弁護士の山田一郎氏(仮名)は、「店長からの指示内容が鍵となるでしょう。もし店長が勤務時間外にeラーニングの視聴を強く指示していたなら、労働時間と認められ、残業代請求も可能になります」と指摘しています。
タリーズコーヒーのドリンク
まとめ:労働時間と残業代の正しい理解が重要
今回の件は、労働時間と残業代の定義について改めて考えさせられる事例となりました。労働者も使用者も、労働時間に関する法令やガイドラインを正しく理解し、適切な対応をすることが重要です。今後、同様の問題を防ぐためにも、労働環境の整備と労働者への適切な指導が求められます。