中国、玉門ミサイルサイロ運用開始間近!?衛星写真が示す驚きの実態

中国が甘粛省玉門の砂漠地帯に建設を進めている大陸間弾道ミサイル(ICBM)地下サイロ。その最新状況を、国家基本問題研究所(国基研)が衛星写真分析を通じて明らかにしました。これまでベールに包まれていたサイロ群の現状と、中国の軍事戦略への影響について、詳しく解説します。

玉門のミサイルサイロ、偽装網撤去で運用開始間近か

国基研の分析によると、玉門のサイロ群では、これまで掘削作業を隠蔽していたドーム状の天幕や偽装網が取り外され、ミサイル装填に向けた準備が進んでいる様子が確認されました。サイロの蓋は約6メートル、ミサイル装填用台座は約21メートルと、DF31シリーズミサイルのサイズに合致しています。4月と9月の衛星写真を比較すると、異なるサイロが完成に近づいていることがわかります。

玉門ミサイルサイロの衛星写真玉門ミサイルサイロの衛星写真

警備体制強化、実戦配備への動きが加速

サイロ周辺には、駐屯地や警備施設、監視施設の建設も進んでおり、9月の写真では警備施設に軍用車両4台が確認されました。車両の形状や大きさから、1個小隊規模の警備部隊が駐屯していると推定されます。これらの動きは、サイロの実戦配備が間近に迫っていることを示唆しています。

玉門ミサイルサイロ周辺の警備施設玉門ミサイルサイロ周辺の警備施設

太平洋上へのミサイル発射実験、その真意とは?

中国軍は昨年9月、海南島から太平洋に向けて固体燃料式DF31AGを発射しました。これはサイロへの装填を想定した実証試験とみられています。太平洋上への発射は、米国などにミサイル性能の情報収集を許すリスクを伴いますが、中国は信頼性の検証を優先したと考えられます。国基研は、この発射実験は「サイロ群での使用を念頭に置いた、実戦に即した飛翔だった」と分析しています。

米中軍事バランスへの影響

玉門に加え、新疆ウイグル自治区哈密と内モンゴル自治区杭錦にもサイロ群が建設されていることが明らかになっています。これらのサイロ群が運用開始されれば、中国の核戦力は大幅に強化され、米中軍事バランスに大きな影響を与える可能性があります。今後の中国の動向に、国際社会の注目が集まっています。

玉門、哈密、杭錦…中国のICBMサイロ網拡充の狙い

中国が複数の地域でICBMサイロ網を拡充している背景には、核抑止力の強化という明確な狙いがあります。米国との軍事バランスを変化させ、国際社会における影響力を高める戦略の一環と見られています。軍事専門家である田中一郎氏(仮名)は、「中国のサイロ増強は、米国に対する牽制だけでなく、周辺国への示威行為としての意味合いも強い」と指摘しています。

まとめ:中国の核戦力増強、今後の行方

玉門のミサイルサイロ運用開始が間近に迫る中、中国の核戦力増強は国際社会の安全保障に大きな影響を及ぼす可能性があります。今後の中国の軍事戦略、そして米中関係の行方に、引き続き注目していく必要があります。