古代エジプトの神秘に新たな光が当てられました。エジプト南部ルクソールにあるハトシェプスト女王葬祭殿の参道付近で、大規模な発掘調査が行われ、古代エジプト第18王朝時代の神殿遺構や第17王朝時代の埋葬坑などが発見されました。この歴史的発見は、古代エジプト史の空白を埋める重要な手がかりとなる可能性を秘めています。
ハトシェプスト女王葬祭殿に新たな発見!
今回の発掘調査は、著名な考古学者であるザヒ・ハワス博士率いるエジプト調査隊によって2022年9月から行われてきました。その結果、ハトシェプスト女王葬祭殿の入り口として建設されたとみられる神殿の遺構が発見されました。1000点以上もの彫刻が施されたブロックや、女王や建築家センムトの名が刻まれた100点以上の石板が出土し、古代エジプトの高度な技術と文化を物語っています。
ハトシェプスト女王葬祭殿の参道で発掘された古代エジプトの墓
第17王朝時代の埋葬坑とプトレマイオス朝の墓所も発掘!
さらに、第17王朝時代の埋葬坑からは、多数の木製ひつぎや墓所の監視人が使用していたとされる木製のベッドが発見されました。これらの副葬品は、当時の埋葬文化や生活様式を理解する上で貴重な資料となります。また、プトレマイオス朝時代の墓所の一部も発掘され、アレキサンダー大王が描かれた銅貨や、子供のおもちゃなどが出土しました。これらの発見は、古代エジプトの長い歴史における異なる時代の文化交流を示唆しています。
エジプト考古学の権威、ザヒ・ハワス博士の見解
ザヒ・ハワス博士は、今回の発見について「歴史を再構築するものだ」と述べています。この発見は、古代エジプト史の研究に新たな視点を与え、エジプト文明の理解を深める上で大きな貢献となるでしょう。日本のエジプト考古学の専門家、例えば早稲田大学エジプト学研究所の吉村作治名誉教授も、この発見の重要性を高く評価していると考えられます。
発掘された古代エジプトの墓の中に置かれた遺物
古代エジプトの謎を解き明かす手がかり
今回の発掘調査で発見された遺物の一部は、すでにエジプト国内の博物館で展示されています。これらの遺物を間近で見ることで、古代エジプトの人々の生活や文化に触れ、悠久の歴史に思いを馳せることができるでしょう。今後の研究によって、さらなる発見が期待され、古代エジプトの謎が解き明かされる日が来るかもしれません。