明治神宮外苑のイチョウ並木、外国人観光客による立ち入り禁止区域への侵入が問題に

近年、日本の観光名所を訪れる外国人観光客が増加する一方で、一部観光客によるルール違反やマナー違反が問題となっています。今回は、東京都港区の明治神宮外苑にある美しいイチョウ並木での出来事を取り上げます。SNS映えを狙った写真撮影を目的として、立ち入り禁止区域に侵入する外国人観光客が目撃され、その様子を捉えた動画がX(旧Twitter)で拡散し、物議を醸しています。

イチョウ保護のためのロープを無視する外国人観光客

秋になると黄金色に輝くイチョウ並木は、都内でも有数の絶景スポット。しかし、イチョウの木を保護するために、根元付近にはロープが張られ、「イチョウ保護の為 立ち入り禁止」と日本語で注意書きが掲示されています。

にもかかわらず、一部の外国人観光客は、このロープを無視して立ち入り禁止区域に侵入。イチョウの落ち葉の上で寝転んだり、イチョウの葉を手に取って写真撮影をしたりする様子が動画に収められています。この動画はSNSで拡散され、多くの批判が集まりました。

イチョウ並木の立ち入り禁止区域に侵入する外国人観光客イチョウ並木の立ち入り禁止区域に侵入する外国人観光客

日本語表記だけでは不十分?多言語対応の必要性

一部では、「日本語が読めないのではないか」という意見もありましたが、ロープや注意書きの存在から、立ち入り禁止であることは容易に理解できるはずです。 観光マナー啓発の専門家、山田花子氏(仮名)は、「最低限のマナーは守って観光に来てほしい」と訴えています。

また、注意書きの多言語化を求める声も上がっています。英語をはじめ、中国語や韓国語など、多くの外国人観光客が理解できる言語で注意書きを併記することで、より効果的な注意喚起につながる可能性があります。

美しい景観を守るために、私たちにできること

明治神宮外苑のイチョウ並木は、都民にとって貴重な憩いの場であり、未来に残すべき大切な自然遺産です。景観保護のためにも、一人ひとりがマナーを守り、美しいイチョウ並木を大切に守っていく必要があります。

マナー啓発と多言語対応の強化を

今回の件を受けて、明治神宮外苑事務所は、更なるマナー啓発と多言語対応の強化に取り組む姿勢を示しています。具体的には、ウェブサイトやパンフレットでの多言語情報提供、多言語対応可能なスタッフの配置などを検討しているとのことです。

訪日外国人観光客の増加は、日本の文化や魅力を世界に発信する上で大きなチャンスとなります。しかし、同時に、観光客と地域住民との共存、そして貴重な自然環境の保護といった課題にも向き合っていく必要があります。

観光客には、日本の文化やルールを尊重し、マナーを守って観光を楽しんでほしいものです。そして、私たち日本人としても、外国人観光客が快適に過ごせるよう、多言語対応や情報提供など、より一層の配慮が必要です。