マイナンバーカードと一体化した「マイナンバーカード保険証」。政府は普及に力を入れていますが、利用率は伸び悩んでいるのが現状です。本記事では、その現状と課題について詳しく解説します。
なぜ利用が進まない？マイナンバーカード保険証の現状
2024年12月2日、従来の健康保険証の新規発行が停止されました。政府はマイナンバーカード保険証への一本化を目指していますが、移行は進んでいません。厚生労働省は利用率の増加をアピールしていますが、現状は3割にも達していません。
医療機関に設置されたマイナンバーカード保険証の案内
従来の保険証は期限内であれば引き続き使用可能で、期限切れの場合も「資格確認書」が発行されるため、保険診療は受けられます。つまり、マイナンバーカード保険証の利便性が実感されなければ、利用者は増えないでしょう。
トラブル多発！現場の声と課題
マイナンバーカード保険証は、トラブルの多発も普及を阻む要因となっています。全国保険医団体連合会の調査では、7割以上の医療機関でマイナンバーカード保険証関連のトラブルが発生したと報告されています。
資格情報の無効、カードリーダーの接続不良、氏名や住所の誤りなど、様々なトラブルが報告されています。多くの医療機関では、結局、従来の保険証で資格確認を行っているのが現状です。
資格確認書の例
医療現場の混乱を避けるためには、システムの安定化、医療機関へのサポート体制の強化が不可欠です。
専門家の見解
医療ITコンサルタントの山田一郎氏（仮名）は、「システムの安定稼働に加え、医療機関スタッフへの十分な研修が不可欠です。現場の負担を軽減するためのサポート体制の構築も急務です」と指摘しています。
今後の展望：利便性向上と信頼回復が鍵
マイナンバーカード保険証の普及には、利便性の向上と信頼回復が不可欠です。システムの安定化、医療機関への支援、そして国民への丁寧な説明が求められます。
よりスムーズな運用に向けて
例えば、オンライン資格確認システムのレスポンス向上、エラー発生時の対応手順の明確化、多言語対応などが挙げられます。また、個人情報保護の徹底も重要です。
まとめ：国民にとって本当に便利なシステムを目指して
マイナンバーカード保険証は、医療のデジタル化を推進する上で重要な役割を担っています。しかし、現状の課題を解決し、国民にとって真に利便性の高いシステムとなるよう、更なる改善が必要です。
