セブン-イレブンといえば、高品質なプライベートブランド商品やこだわりの商品展開で知られています。しかし、近年の物価高騰の影響を受け、その高級路線が消費者の購買意欲を削ぎ、売上低迷のニュースが話題となりました。「セブンプレミアムゴールド」など、付加価値の高い商品展開で他社との差別化を図ってきたセブン-イレブンですが、高価格戦略の見直しを迫られています。そこで注目されるのが、「エコだ値」と「うれしい値!」という新たな価格戦略です。本記事では、これらの取り組みを詳しく解説し、セブン-イレブンの今後の展望を探ります。
食品ロス削減と節約を両立!「エコだ値」とは?
2024年5月から全国展開されている「エコだ値」は、食品ロス削減を目的とした画期的な取り組みです。消費期限が近い商品を値下げ販売することで、廃棄される食品を減らし、環境負荷の低減に貢献しています。対象商品には緑色の「エコだ値」シールが貼られており、通常の値引きシールとは異なるデザインで、消費者の抵抗感を軽減する工夫も凝らされています。値下げ幅は20円から100円までと商品によって異なり、夕方になると多くの商品にこの緑色のシールを見かけることができます。食品ロス削減と節約を両立させたこの取り組みは、令和6年度の食品ロス削減推進表彰において消費者庁長官賞を受賞するなど、高い評価を受けています。
エコだ値シール
価値ある価格を実現!「うれしい値!」で人気商品がお手頃価格に
2024年9月から本格的にスタートした「うれしい値!」は、原材料の調達や製造工程を見直すことで、低価格を実現した商品シリーズです。セブン-イレブンの強みである高品質を維持しつつ、より多くのお客様に手に取っていただける価格設定を目指しています。ピンク色の「うれしい値!」の張り紙が目印で、「麻婆丼」や「バターチキンカレー」などの人気弁当が税込348円、パンやセブンプレミアムのおかずは概ね税込150円以内、カップデリは200円台前半で購入できます。
食生活ジャーナリストの佐藤恵氏(仮名)は、「『うれしい値!』は、原材料や製造工程の見直しによって価格を抑えながらも、品質を維持している点が素晴らしい。消費者の節約志向が高まる中、この取り組みは大きな支持を得るだろう」と述べています。
セブン-イレブンの新たな挑戦!低価格路線への転換は成功するか?
「エコだ値」と「うれしい値!」は、高価格路線からの方向転換を図るセブン-イレブンの新たな挑戦と言えるでしょう。食品ロス削減への貢献、消費者の節約ニーズへの対応など、社会的な要請にも合致したこれらの取り組みは、今後のコンビニ業界に大きな影響を与える可能性を秘めています。
これらの戦略によって、セブン-イレブンは顧客層の拡大と売上回復を目指しています。今後の展開に注目が集まります。